東証が発表した投資部門別売買動向によると、4月第1週の海外投資家の買越額は6796億円(現物)。買い越しは2週連続で、2022年4月以来1年ぶりの買越額となった。4月は海外投資家が買い越す月であるというのは有名なアノマリーだ。今年に関しては、バフェットが日本株の追加投資に言及したことも海外投資家の買いを促す一因になっているのだろうと思われる。
日銀の植田・新総裁が示した緩和維持の姿勢や景気ウォッチャー調査で確認できた国内景気の明るさなど、先週は日本株相場に追い風が多かった。急伸したファストリをはじめ、小売りの決算が全般に好調だったことも好材料として挙げられる。
それらを背景に日経平均は2022年7月以来の6連騰を演じ、約1ヶ月ぶりの高値をつけた。さすがに利益確定売りも増えてくるだろうが、機関投資家の期初の益出し売りが一巡しているので売り圧力はそれほど多くないだろう。今週はSVB破綻前につけた3月の高値2万8623円を試す場面もありそうだ。
注目された米大手金融機関の決算は先陣を切ったJPモルガン・チェースやシティグループは好決算を発表。ともに株価は大幅高となった。今週もバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスが18日に、モルガン・スタンレーは19日に決算を発表する。金融のほかではジョンソン&ジョンソンやネットフリックス(18日)、テスラ(19日)の決算などが注目される。また米国以外では、19日のASMLホールディングス(オランダ)、20日の台湾TSMCといった半導体関連企業の決算に注目だ。
18日は中国の重要統計発表の集中日。1-3月期のGDP、3月の工業生産と小売売上高などが発表される。中国経済再開の度合いを測る意味で注目が集まる。
国内では3月の訪日客数が発表になる(19日)。桜の時期に当たっており大幅増だろう。インバウンド関連の物色が盛り上がりそうだ。
週末には楽天銀行(5838)が東証プライム市場に上場する。時価総額の大きいIPOだけに換金売りが需給の錯乱要因になることには警戒したい。
予想レンジは2万8000円~2万8900円とする。