モメンタムのピークアウトで株価は反落

前回のコラムから詳しく解説を始めたモメンタム。株価が大きなレンジの上限に達していたことに加え、モメンタムの水準が過去のピークに達していたことから、反落に警戒が必要だと解説しましたが、結果はどうなったでしょうか。

結果を見ますと、チャート上に示されたとおり、レンジの上限に達して上抜けることができなかったことに加え、モメンタムが過去の高い水準に届かずに下向きに変化し、その後は株価も急落しているのが分かります。

このようにモメンタムは株価がレンジの上限や下限に差し掛かった時、上抜ける勢いがあるのか、または押し返されてしまうのかといった判断を助けてくれることが分かります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムを使えば、先回りした対応ができる

このようにモメンタムの水準を過去に遡り、予めチェックしておくことで、株価の反転ポイントを予測して対応することができます。

例えば、注文方法として思い当たるのは逆指値やトレールストップ(またはトレーリングストップ)などの注文です。

逆指値注文とは、「〇〇円以上になったら買う」「〇〇円以下になったら売る」、という注文です。これらの注文形態から、逆指値注文はトレンドフォロー型の注文と言えます。

また、トレールストップ注文は、株価の上昇幅、または下落幅に合わせて、逆指値注文のトリガーとなる価格をリアルタイムで自動修正する注文方法です。具体的には、高値から100円下落したら売るといった注文になります。

そのため、株価が上昇を続けているとき、高値が切り上がるため、自動的にトリガーとなる価格が修正されることになるとともに利益を伸ばすことができるのが特徴です。

モメンタムと逆指値やトレールストップの活用

では、今回のケースを例に利用法について考えてみましょう。日経平均がレンジの高値に接近中で、上回るか押し返されるかが分からないものの、モメンタムを見るとピークに差し掛かっています。

このような時は、反落する可能性があると考える必要があります。ただ、利益も伸ばしたいというのが、投資家の本音でしょう。

そこで今回のようなケースでは、トレールストップを活用します。例えば、高値から300円下落したら、売るというようにセットしておくのです。(なお、逆指値、トレールストップ注文が利用できるかどうかは、各証券会社によって異なります)

また、モメンタムがピークに接近したり、レンジの上限に接近したりする前からこの注文をセットしておくことができれば、忙しい投資家のみなさんも株価をずっと見ている必要がありませんので、活用してみてはいかがでしょうか。