米国株式は上昇、景気減速懸念が薄れる格好へ
週明けの米国株式は上昇し、先週末に発表された3月の雇用統計の結果をポジティブに消化する格好となりました。夜間取引で日経平均先物も上昇。予想通りのしっかりした雇用統計の結果で5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における0.25%の利上げ確率が上昇し、景気への過度な減速懸念が薄れる格好となっています。
日銀、植田新総裁の初会見から読み取る米ドル/円相場
そういった米ドル買いのムードが浸透する中、4月10日の夜に日銀の植田和男新総裁の初会見が行われました。物価安定の達成に向けて力を尽くすと表明し、直ちに政策修正を行う必要はない、黒田前総裁が続けてきた大規模緩和を現状では継続するとの認識を示したことで、米ドル買い・円売りを誘う展開となりました。
米ドル/円相場は4月初旬につけた高値水準を上抜けたことで、2023年1月後半から2月初旬にかけて底固めをした水準よりも上の水準でダブルボトムのパターンとなり、再び200日移動平均線(137.20円前後)をトライする流れが予想されます。3月24日安値を1ドル=129.63円、4月3日高値を133.75円とした場合、その上げ幅を安値から倍化した水準となる137円台後半は狙えそうです。
発表相次ぐ米国の物価指標に注目
今週は4月12日に米3月消費者物価指数、4月13日は米3月生産者物価指数と物価指標が立て続けに出てくる他、4月14日には米小売売上高、鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表があります。先週は雇用統計以外の雇用関連指標には弱さが散見されましたが、雇用関連以外の景気の動向が米ドル買い要因となるかに注目です。
円安は日本株にとっては追い風です。前回のコラム「TOPIXの長いヒゲが示唆すること」で解説したように、3月が上と下に大きく動いたせいで、4月は3月のレンジ内でしか動けない、という見方に変化はありませんが、国内ではいよいよ決算発表シーズンに入ってきます。