東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに大幅反落となりました。176円安の28,111円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に一日を通して下げ幅を大きく広げる展開となりました。369円安の27,917円で前場を終えた日経平均は384円安の27,903円で後場の取引をスタートさせるとさらに下げ幅を広げました。14時40分過ぎに498円安の27,788円まで下落し安値を付けた日経平均は結局474円安の27,813円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
パナソニック ホールディングス(6752)が一時4.2%高となり年初来高値を更新しました。欧州自動車大手のステランティスとドイツの高級車大手BMWがそれぞれ、北米で電気自動車用の電池工場を建設する計画でパナソニック ホールディングスと提携することを交渉していると伝わったことを材料視した買いが入りました。岩谷産業(8088)も一時4.0%高となり年初来高値を付けました。
5月末をメドに政府が脱炭素社会の実現に向けて水素の普及を促す「水素基本戦力」を改定する方針を示したことで水素関連事業を手掛ける岩谷産業に物色の矛先が向かいました。東洋建設(1890)も一時14.6%高となり年初来高値を更新しました。2024年3月期の配当予想を2023年3月期予想の25円を大幅に上回る63円にすると発表したことから大きく上げ幅を広げる場面がありました。
一方でカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が6.3%安となりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が緩和されて外出の機会が増え客足が好調だったことなどで2023年2月期の営業利益は前期比で75.4%増となりましたが、第4四半期3ヶ月の営業利益が前年同期比で83.2%減と減益に転じたことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は474円安となりました。2月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想以上に減ったことで米景気の減速を懸念した売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから大幅反落となりました。こうしたなかで日経平均が節目の28,000円を割り込んだうえ、TOPIXも節目の2,000ポイントを下回りました。
日経平均は28,000円を上まわってくると押し戻される展開が続いているだけに28,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、明日も売りが優勢となった場合には25日移動平均線(27,741円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が今週からスタートしています。本日も引け後には西松屋チェーン(7545)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分には3月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には3月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)