東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に3日続伸となりました。25円高の28,213円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じましたが、49円安の28,139円で下げ渋ると持ち直し55円高の28,243円で前場を終えました。91円高28,279円でスタートした後場の日経平均は13時に53円高の28,241円までやや弱含む場面もありましたが、引けにかけてやや上げ幅を広げると結局99円高の28,287円と本日の高値で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

象印マホービン(7965)が一時8.7%高となり年初来高値を更新しました。第1四半期の営業利益は調理家電の国内販売が減少したことなどで前年同期比で11.4%減となりましたが、通期予想に対する進捗率が90.4%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。自動車部品の安永(7271)も15.3%高となりました。リチウムイオン電池の寿命を従来品比で12倍以上に向上させることに成功したとする新技術開発状況のアップデートを発表したことを材料視した買いが入りました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのが参天製薬(4536)やブイ・テクノロジー(7717)で、参天製薬が目標株価の引き上げを受けて一時2.2%高となり、ブイ・テクノロジーも投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時8.4%高となりました。さらに東証スタンダード市場では住石ホールディングス(1514)が12.6%高となりました。資源高の影響で発電用の一般炭価格が過去最高水準となるなか、主力の石炭事業部門が堅調に推移していることなどから2023年3月期の営業利益の見通しを24億円から38億円に上方修正したことで買いを集めました。

一方でしまむら(8227)が5.5%安となりました。2023年2月期の営業利益は前期比で7.9%増となりましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が値引き増加などによる粗利益率の低下などから前年同期比で17.7%減と減益に転じたことで大幅安となりました。中古車販売大手のネクステージ(3186)も一時12.6%安となり年初来安値を更新しました。中古車のオークション事業で相場下落の影響を受け1台当たりの利益が減少したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で59.6%減となったことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は99円高となりました。原油先物価格の大幅上昇を受けて石油関連株に買いが入ったことなどから昨日の米国市場でダウ平均が上昇となったことで続伸となりました。しかし、上値は限定的で上げ幅を三桁に広げることなく伸び悩みました。そのため昨日に続いて上値の重さが意識されそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が今週からスタートしています。本日も引け後にはアダストリア(2685)やスギホールディングス(7649)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)