【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,717.60  △323.35 (3/29)
NASDAQ: 11,926.24  △210.16 (3/29)

1.概況

米国市場は金融システム不安に対する過度な警戒感が後退するなかで長期金利の上昇一服を受けてハイテク株などに買いが入り大幅反発となりました。172ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に260ドル高余りまで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと昼前に140ドル高程度まで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直し引けにかけて上げ幅を広げると結局323ドル高の32,717ドルとなり高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も210ポイント高の11,926ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

2月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.8%上昇の83.2となり低下を見込んでいた市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産と情報技術が2%以上上昇したほか、一般消費財・サービスも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)が7%を上回る上昇となりました。決算は市場予想を下回りましたが、メモリーの需給バランスが徐々に改善していくだろうとの会社側の見通しを受けて先行きの業績改善を見込んだ買いが入りました。他の半導体株にも買いが波及し、データセンター向け先端半導体など新製品の発売計画を明らかにしたインテル(INTC)が7%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ウエスタンデジタル(WDC)も5%を超える上昇となりました。クアルコム(QCOM)も3%余り上げ、エヌビディア(NVDA)やテキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%以上上昇しています。

主力ハイテク株も高くアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%余り上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)とテスラ(TSLA)も2%以上上昇しています。アップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)も2%近く上げています。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてクルーズ船のカーニバル(CCL)が6%高となったうえ、他のクルーズ船株も高くノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が5%を超える上昇となり、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も3%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの3.57%となりました。ドル円は円安に振れ132円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が大幅高となった一方で、配当落ちがあることからやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が250円程度とみられる配当落ちをどこまで埋めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)