東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。50円安の27,368円で寄り付いた日経平均は10時10分前に162円安の27,257円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると11時10分前に22円安の27,396円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないとやや下げ幅を広げ70円安の27,348円で前場を終えました。62円安の27,357円でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を三桁に広げる場面もありましたが、引けにかけて下げ幅を縮めると14時50分前に22円安の27,397円まで戻し結局34円安の27,385円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

東芝(6502)が4.2%高となりました。日本産業パートナーズ(JIP)などの連合による買収提案を受け入れることを取締役会で決議したと発表したことでTOB(株式公開買い付け)価格の4,620円を意識した値動きとなりました。コスモエネルギーホールディングス(5021)も6.6%高となりました。2026年3月期を最終年度とする新中期経営計画を発表し、株主還元について総還元性向を現状の50%以上から60%以上に引き上げ、年間配当の下限を150円から200円以上に引き上げるとしたことから買いを集めました。東洋建設(1890)も4.2%高となりました。2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、計画期間中の年間配当の下限を前期実績の20円を上回る50円とする方針を示したことで大幅高となりました。フジ・メディア・ホールディングス(4676)も5.8%高となりました。保有株の売却により売却益を約160億円計上することなどから2023年3月期の純利益の見通しを270億円から420億円に上方修正したことに加え、来期に認定放送持ち株会社移行15周年を迎えることなどから記念配当を実施すると発表したことで買いが優勢となりました。一方でJ.フロント リテイリング(3086)が一時4.2%安となりました。新型コロナウイルス禍からの収益回復が遅れている店舗で減損を計上することなどから2023年2月期の営業利益の見通しを235億円から190億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は34円安となりました。米長期金利の低下を受けて130円台前半まで進んだ円高が重石となり売りが優勢となりました。一時は160円以上下落しました。しかし、75日移動平均線(27,219円)を前に下げ渋ると持ち直し200日移動平均線(27,363円)を引き続き維持して取引を終えています。そのため昨日同様に底堅さが強く意識されそうです。なお、日本時間の本日21時30分には2月の米耐久財受注額が発表されるほか、22時45分には3月の米製造業PMI速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)