【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,105.25 △75.14 (3/23)
NASDAQ: 11,787.40 △117.44 (3/23)
1.概況
米国市場はイエレン米財務長官が預金保護のために追加的な措置を講じる用意があると述べたことを好感した買いで反発しました。71ドル高でスタートしたダウ平均は幅広い銘柄に押し目買いが入り昼前に481ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと午後に入って上げ幅を縮め取引終盤にマイナスに転じました。しかし、下げ渋るとイエレン米財務長官の発言を受けて引けにかけて持ち直し結局75ドル高の32,105ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も117ポイント高の11,787ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の19万1000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で2月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比1.1%増の64万戸に止まり市場予想を下回りました。また、2022年10-12月期の米経常収支の赤字額は前期比5.6%減の2068億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーと公益事業が1%以上下落しました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が上げ、コミュニケーション・サービスが2%近く上昇したほか、情報技術も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
中国政府への利用者のデータ流出に関する公聴会が米連邦議会で行われるなか、中国発の動画共有アプリであるTikTok(ティックトック)の米国での利用禁止観測が強まり競合するSNS(交流サイト)関連株が買われました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が2%を超える上昇となったほか、写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営するスナップ(SNAP)も3%余り上げました。
また、長期金利の低下を受けて主力ハイテク株が堅調でカナダでの契約者数の伸びが改善したと伝わったネットフリックス(NFLX)が9%高となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上上げています。マイクロソフト(MSFT)も2%近く上昇しました。半導体株も高くマイクロン・テクノロジー(MU)が5%を超える上昇となり、インテル(INTC)も3%余り上げています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とエヌビディア(NVDA)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%以上上昇しました。
一方で決済サービスのブロック(SQ)が15%近く下げました。空売りで知られる米投資会社がブロック株を空売りしていることを明らかにしたことで売りが膨らみました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い3.42%となりました。ドル円は130円台後半で推移しています。米長期金利の低下を受けて130円台前半まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は一時130円台前半まで進んだ円高を警戒した売りで軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り200日移動平均線(昨日時点で27,363円)引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)