東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて小幅反落となりました。233円安の27,232円で寄り付いた日経平均はさらに下げ幅を広げ取引開始から5分余りで290円安の27,175円まで下落しました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋ると大きく持ち直し66円安の27,400円で前場を終えました。90円安の27,376円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると14時50分前に4円安の27,461円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局47円安の27,419円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が4.8%高となりました。業績予想を更新し非開示だった2023年3月期の営業利益が人員削減費用の計上などから前期比10%減の3410億円になりそうだと発表しましたが、人員削減効果が2024年3月期に約635億円見込まれるとの見通しが示されたこともあり来期以降の業績回復を期待した買いが入りました。顧客専用LSIを手掛けるメガチップス(6875)も13.9%高となりました。持ち分法適用会社の株式の一部売却により特別利益を計上することなどから通期の純利益の見通しを47億円から69億円に上方修正したうえ、自己株式除く発行済株式数の6.3%にあたる120万株、30億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いを集めました。

一方で富士通ゼネラル(6755)が一時3.6%安となりました。主力の空調機事業が北米やインドで伸び悩むことなどから通期の営業利益の見通しを180億円から150億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。また、米長期金利の低下を受けて生保株が安く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.4%安、T&Dホールディングス(8795)も一時3.9%安となりました。さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて豊田自動織機(6201)やコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が安く、豊田自動織機が一時4.7%安となり昨年来安値を更新したほか、コンコルディア・フィナンシャルグループも一時3.7%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は47円安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ抑制のために金融引き締めを続ける姿勢を示し、昨日の米国市場が大幅反落となったことで売りが優勢となりました。一時は300円安近くまで下げ幅を広げました。しかし、一目均衡表の雲の上限(27,164円)をサポートに下げ渋り大きく持ち直すと、昨日の終値近辺まで戻し200日移動平均線(27,363円)を引けで維持しました。そのため底堅さが強く意識されそうで、節目の27,500円回復への期待も高まりそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や2022年10-12月期の米経常収支が発表されるほか、23時には2月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)