【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,155.40  △336.26 (3/14)
NASDAQ: 11,428.15  △239.31 (3/14)

1.概況

米国市場はシリコンバレーバンクの破綻をきっかけに大きく売り込まれていた金融株に買い戻しが入ったことや、2月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受けてインフレ加速への過度な警戒感が和らいだことで大幅上昇となりました。236ドル高でスタートしたダウ平均は広前に487ドル高まで上昇した後伸び悩むと大きく上げ幅を縮め取引終盤にマイナスに転じましたが、13ドル安で下げ渋ると引けにかけて急速に持ち直しました。結局ダウ平均は336ドル高の32,155ドルで取引を終え6日ぶりに反発しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も239ポイント高の11,428ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.0%上昇と前月の6.4%上昇から伸びが鈍化し市場予想と一致しました。変動が激しいエネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比5.5%上昇と前月の5.6%上昇から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと情報技術、金融が2%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスと公益事業、素材、資本財・サービスも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

前日に大きく売られた大手金融株が高く、シティーグループ(C)が6%近く上げ、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も4%を超える上昇となりました。ゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)、モルガン・スタンレー(MS)も2%以上上げています。また、前日に急落した中堅銀行のファースト・リパブリック・バンク(FRC)も27%近く上昇しています。主力ハイテク株も上昇が目立ち、1万人規模の人員削減を追加発表したフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が7%を上回る上昇となり、テスラ(TSLA)も5%高となりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%以上上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とマイクロソフト(MSFT)も2%を超える上昇となりました。半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が6%以上上げ、エヌビディア(NVDA)も4%を上回る上昇となりました。インテル(INTC)も4%近く上げています。一方で1-3月期の1株損益が赤字になるとの予想を発表したユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が5%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は株高を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らぎ相対的に安全資産とされる米国債が売られ0.12%高い3.69%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)