東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。81円安の27,363円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで140円安の27,305円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと11時20分過ぎにプラスに転じ1円高の27,446円で前場を終えました。42円高の27,488円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに85円高の27,530円を付けると結局70円高の27,516円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

味の素(2802)が9.3%高となりました。増配トレンドを今後も維持するなど株主還元を継続的に強化するとした新しい中期経営計画を発表したことなどから買いを集めました。メルコホールディングス(6676)も4.0%高となりました。13日に公表した自己株取得を所管省庁の審査が完了したことに伴い3月2日から開始すると発表したことで大幅高となりました。モロゾフ(2217)も一時6.3%高となりました。2023年1月期の期末配当を従来の45円から65円に引き上げると発表したことで買いが優勢となりました。また、2月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回る改善となったことで中国関連銘柄の一角が高く、安川電機(6506)が4.3%高、コマツ(6301)が一時3.2%高、ファナック(6954)も一時2.2%高となりました。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて東京応化工業(4186)や電子ギフト事業を手掛けるギフティ(4449)も高く、投資判断と目標株価の引き上げを受けて東京応化工業が3.6%高となったほか、目標株価の引き上げを受けてギフティも4.0%高となりました。

一方でツルハホールディングス(3391)が6.6%安となりました。食品以外のカテゴリーが伸び悩んだことなどから2月の既存店売上高が前年同月比で0.6%減と5ヶ月ぶりに前年割れとなったことを嫌気した売りが出ました。関西ペイント(4613)も3.6%安となりました。トヨタ(7203)やT&Dホールディングス(8795)傘下の大同生命保険など5社が自己株式を除く発行済み株式総数の9.74%にあたる2279万400株の関西ペイント株を売り出すと発表したことで需給悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は70円高となりました。米長期金利が一時昨年11月以来の高水準を付けるなか米連邦準備理事会(FRB)による利上げの長期化を警戒した売りが出て昨日の米国市場が反落となったことから下落して始まりました。しかし、75日移動平均線(27,291円)や200日移動平均線(27,286円)を割り込むことなく下げ渋ると2月の中国の製造業PMIが市場予想を上回る改善となったこともあり前引けにかけてプラスに転じました。そのため75日移動平均線や200日移動平均線近辺での底堅さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の2日午前0時には2月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)