東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に反落となりました。130円安の27,322円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で160円安の27,292円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと10時50分過ぎにプラスに転じました。しかし、2円高の27,456円で上値が押さえられると再びマイナスとなり48円安の27,405円で前場を終えました。43円安の27,410円でスタートした後場の日経平均は13時50分過ぎに63円安の27,389円を付けた後下げ幅を縮め14時50分過ぎに2円安の27,451円を付けると結局29円安の27,423円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となったものの、新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
バリュー株を物色する流れを受けて大手鉄鋼株が買われました。日本製鉄(5401)が一時3.6%高、JFEホールディングス(5411)が一時3.0%高、神戸製鋼所(5406)も一時4.1%高となり、日本製鉄と神戸製鋼所が昨年来高値を更新しました。「まねきねこ」などのカラオケチェーンを展開するコシダカホールディングス(2157)も一時4.4%高となりました。子会社のコシダカプロダクツが保有する名古屋市の固定資産の売却に伴い特別利益として43億円を計上することなどから2023年8月期の純利益の見通しを44億円から70億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。
また、投資判断と目標株価を受けてTHK(6481)やファナック(6954)が高く、THKが3.1%高となり、ファナックも2.9%高となりました。さらに東証スタンダード市場ではSBI新生銀行(8303)や温度センサーを手掛けるSEMITEC(6626)が買われました。SBI新生銀行は希薄化懸念の低減と流通株式比率向上のため発行済み株式総数の約20%にあたる5400万株の自社株を消却すると発表したことで一時3.4%高となり、SEMITECも1株を4株にする株式分割を発表したことで一時15.4%高となりました。
一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られたのが味の素(2802)やコナミグループ(9766)で、味の素が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時3.4%安となり、コナミグループも投資判断の引き下げを受けて一時3.7%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は29円安となりました。米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが加速し市場予想も上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続を警戒した売りが出て先週末の米国市場が大幅下落となったことから反落となりました。しかし、75日移動平均線(27,299円)や200日移動平均線(27,273円)をサポートに下げ渋ると持ち直しわずかにプラスとなる場面もありました。そのため戻し切れなかったものの底堅さが強く意識されそうです。なお日本時間の22時30分には1月の米耐久財受注額が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)