【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,816.92  ▼336.99 (2/24)
NASDAQ: 11,394.94  ▼195.46 (2/24)

1.概況

先週末の米国市場は米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが加速し市場予想も上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続を警戒した売りが出て大幅反落となりました。154ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に510ドル安まで下落した後やや持ち直したものの一日を通して軟調に推移すると結局336ドル安の32,816ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も195ポイント安の11,394ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は67.0と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。1月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比7.2%増の67万戸となり市場予想を上回りました。1月の米個人消費支出(PCE)も前月比1.8%増となり市場予想を上回っています。また、1月の米個人消費支出(PCE)物価指数は変動が大きい食品とエネルギーを除くPCEコア指数が前年同月比4.7%上昇しました。伸び率は前月から加速し市場予想も上回っています。一方で米個人所得は前月比0.6%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、不動産と情報技術が2%近く下落したほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、ヘルスケアも1%以上下げています。一方で素材と金融の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでも中型機「787ドリームライナー」の納入を停止したと伝わったボーイング(BA)が5%近く下落したほか、マイクロソフト(MSFT)も2%以上下げました。インテル(INTC)とアップル(AAPL)も2%近く下落しています、一方でダウ(DOW)が1%高となり、JPモルガン・チェース(JPM)も1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が軟調でアマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)、テスラ(TSLA)が2%以上下げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も1%近く下落しています。

また、ソフトウエアのアドビ(ADBE)も米司法省が反トラスト法(独占禁止法)に基づきデザインソフトウエアの米フィグマの買収を阻止する訴訟を準備していると伝わったことで7%以上下げています。代替肉のビヨンドミート(BYND)は決算で1株あたりの赤字額が市場予想ほど悪化しなかったことで10%高となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米PCE物価指数が市場予想を上回ったことで0.06%高い3.94%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ136円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(先週末時点で27,300円)や200日移動平均線(27,271円)をサポートに下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)