東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反落となりました。45円安の27,486円で寄り付いた日経平均は下げ渋ると9時30分過ぎにプラスに転じましたが、6円高の27,538円で伸び悩むと再びマイナスとなり10時過ぎに172円安の27,359円まで下落しました。しかし、売り一巡後に持ち直すと12円安の27,519円で前場を終えました。26円安の27,505円でスタートした後場の日経平均は直後に17円安の27,514円を付けた後やや下げ幅を広げ節目の27,500円を小幅に下回って推移すると結局58円安の27,473円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

東レ(3402)が3.6%高となり昨年来高値を更新しました。2026年度をめどに名古屋市に「空飛ぶ車」などの素材を開発する拠点を設け、人工知能(AI)を活用して研究体制を効率化し機体の軽量化などにつながる炭素繊維材料を開発すると伝わったことが材料視されました。ホシデン(6804)も7.5%高となりました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがホシデン株を5.26%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により判明したことで大幅高となりました。西松建設(1820)も5.1%高となりました。2026年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表し、2023年3月期に140億円が見込まれる営業利益を220億円まで引き上げる目標を掲げたことを好感する買いが入りました。ソーダニッカ(8158)も一時19.6%上昇しストップ高となる場面がありました。目標とする経営指標の2期連続達成が見込まれることなどから特別配当を実施し2023年3月期の年間配当予想を従来の26円から40円に引き上げると発表したことで買いを集めました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのが東京精密(7729)やヤマハ(7951)で、東京精密が3.3%高、ヤマハも3.1%高となりました。一方でシリコンウエハーの再生を手掛けるRS Technologies(3445)が一時3.7%安となりました。未定としていた2023年12月期の経常利益が前期に為替差益を計上した反動が出ることなどから前期比7.7%減となる見通しを発表したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は58円安となりました。昨日の米国市場がプレジデントデーの祝日による休場で材料に乏しいなか時間外の米株価指数先物が軟調となっていたこともあり売りがやや優勢となりました。節目の27,500円を上回ったところでは上値が重く下げ幅を三桁に広げ170円以上下落する場面もありましたが、節目の27,500円を割り込んだところで押し目買いが入り25日移動平均線(27,364円)をサポートに切り返すと下げ幅を縮めました。そのため反落となり27,500円を小幅に割り込んだものの25日移動平均線近辺での底堅さが意識されそうです。なお、日本時間の23時45分に2月の米製造業PMI速報値が発表されるほか、22日の午前0時には1月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。また、21日の米国ではウォルマート(WMT)やホーム・デポ(HD)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)