東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。211円安の27,484円で寄り付いた日経平均は直後に229円安の27,466円を付けた後持ち直し10時30分過ぎに87円安の27,608円まで戻しましたが、上値は重く再び下げ幅を広げると159円安の27,537円で前場を終えました。194円安の27,502円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに171円安の27,524円を付けた後14時30分に214円安の27,482円を付けるなど節目の27,500円を挟んで小幅にもみ合うと結局183円安の27,513円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
昨日の引け後に本決算を発表したブリヂストン(5108)が4.3%高となりました。原材料価格の高騰が重荷となるものの、値上げと販売拡大でカバーすることで2023年12月期の事業継続ベースの調整後営業利益が前年比5.7%増となる見通しを示したことで大幅高となりました。本日の13時に本決算を発表した横浜ゴム(5101)も3.2%高となりました。下半期から回復を見込み2023年12月期の事業利益が前期比で4.2%増となる見通しを発表したことで決算発表後に上げ幅を広げました。三菱ケミカル(4188)も3.7%高となりました。子会社の田辺三菱製薬がスイスの製薬大手のノバルティスにロイヤルティーの支払いを求めていた係争案件で、田辺三菱製薬への支払い義務が有効との判断が国際商業会議所から下ったことから通期のコア営業利益の見通しを2000億円から3260億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。ゼンショーホールディングス(7550)も4.0%高となりました。ロッテホールディングスからハンバーガー店のロッテリアを買収すると発表したことで事業拡大による収益への貢献を期待した買いが入りました。
また、配当利回りの高さやバリュエーションの低さなどに着目した買いが続き大手鉄鋼株が高く、日本製鉄(5401)が一時2.8%高、JFEホールディングス(5411)が3.5%高となり揃って7連騰となったほか、神戸製鋼所(5406)も4.8%高となり、日本製鉄と神戸製鋼所は昨年来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場ではリサイクルショップを運営する買取王国(3181)が一時25.1%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。ファッションやトレーディングカード、工具などの売り上げが順調に伸びていることなどから通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は183円安となりました。1月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで早期の米利上げ休止観測が後退したことや、米連邦準備理事会(FRB)高官による一段の利上げに対して積極的な発言もあり昨日の米国市場が大幅反落となったことで売りが優勢となりました。しかし、134円台後半まで円安が進んだこともあり節目の27,500円を割り込んだところでは押し目買いが入り下げ渋りました。そのため27,500円近辺での底堅さが意識されそうです。なお、日本時間の22時30分に1月の米輸出入物価指数が発表されるほか、18日午前0時には1月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)