東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて反発しました。152円高の27,654円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分余りで95円高の27,597円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと221円高の27,723円で前場を終えました。198円高の27,699円でスタートした後場の日経平均は13時前に176円高の27,678円を付けた後やや上げ幅を広げ14時40分過ぎに225円高の27,727円まで上昇し本日の高値を付けると結局194円高の27,696円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が2%近い大幅上昇となっています。

2.個別銘柄等

任天堂(7974)が3.0%高となりました。関東財務局に提出された変更報告書でサウジアラビアの政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が任天堂株を買い増したことが判明し、保有比率が6.07%から7.08%になったことを材料視した買いが入りました。ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナル(7532)も4.0%高となりました。韓国、東南アジアからの訪日客が円安で割安になった化粧品などを買っていることなどから免税品売上高が2023年6月期の期初見通しをすでに上回ったと伝わったことでインバウンド需要の回復を期待した買いが入りました。

また、一時134円台前半まで円安が進んだことで自動車株が高く、なかでも日産(7201)が4.1%高となったほか、マツダ(7261)が3.7%高、SUBARU(7270)が3.1%高、三菱自動車工業(7211)も4.3%高となりました。暗号資産関連銘柄として暗号資産の交換業者に出資しているセレス(3696)やビットコインを保有するネクソン(3659)も買われました。米証券取引委員会(SEC)が機関投資家の暗号資産を保管する事業者に会計監査を義務付け、倒産しても預けた資産が投資家に滞りなく返還されるよう分別管理の徹底を図る新ルール案を可決したことを受けてのビットコインが大幅高となったことからセレスが9.5%高、ネクソンも一時2.8%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けてマツキヨココカラ&カンパニー(3088)や関西電力(9503)が高く、マツキヨココカラ&カンパニーが一時4.9%高となり上場来高値を更新したうえ、関西電力も3.4%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は194円高となりました。米小売売上高など強い経済指標を好感した買いで昨日の米国市場が上昇したことや、一時134円台前半まで円安が進んだことで反発となりました。TOPIXが節目の2,000ポイントを約2ヶ月半ぶりに回復したこともあり地合いの堅調さが改めて意識されそうですが、明日も引き続き買いが優勢となった場合には東証プライム市場の騰落レシオが依然として120%を上回り過熱感があるなかでどこまで戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、12月決算企業の本決算発表が続いています。本日も引け後にブリヂストン(5108)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数や2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の米卸売物価指数(PPI)、1月の米住宅着工件数などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)