東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反落となりました。83円高の27,686円で寄り付いた日経平均は直後に117円高の27,720円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時40分過ぎにマイナスに転じ111円安の27,491円で前場を終えました。131円安の27,471円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に158円安の27,444円を付けた後14時過ぎに98円安の27,504円まで戻すと結局100円安の27,501円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
大幅増益の見通しを発表したクボタ(6326)や日本ペイントホールディングス(4612)が買われました。クボタは米国で建機需要が堅調に推移するうえ、農機も好調を維持するとみられることなどから2023年12月期の営業利益が前期比で23.3%増となる見通しを示したことで一時5.0%高となりました。日本ペイントホールディングスも建築用塗料の値上げ効果や車向けの塗料の回復などから2023年12月期の営業利益が前期比で25.1%増となる見通しを発表したことで8.3%高となりました。堀場製作所(6856)も9.8%高となりました。半導体製造装置向けのガス制御機器が好調だったことや、円安効果もあり2022年12月期の営業利益が前期比で43.1%増の458億円となり会社計画や市場予想を上回って着地したことから買いを集めました。楽天グループ(4755)も7.7%高となりました。携帯電話事業で基地局などへの先行投資が続き2022年12月期の最終損益が3728億円の赤字と過去最大の赤字となったことから売りが先行し一時3.8%安まで下落しました。
しかし、朝方の売り一巡後に持ち直すと通信網の運用コストを2023年末までに月あたり約150億円削減できるとの見方を示したことなどからプラスに転じ上げ幅を広げました。一方で本決算を発表したシマノ(7309)が6.5%安となりました。景況感の悪化から欧米市場で中高級スポーツ自転車の需要が一服し、主力の自転車部品が落ち込むことなどから2023年12月期の営業利益が前期比で37.9%減となる見通しを示したことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は100円安となりました。1月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を上回ったことで米長期金利が上昇し133円台前半まで円安が進んだことから上昇して始まりました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮め下落に転じると下げ幅を三桁に広げました。そのため上値の重さがやや意識されそうですが、東証プライム市場の騰落レシオが昨日時点で130%となり買われ過ぎとなっていたことからすると必要な調整ともいえそうです。なお、引け後に1月の訪日外国人客数が発表されるほか、日本時間の22時30分に2月のニューヨーク連銀製造業景況指数や1月の米小売売上高が、そして23時15分に1月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)