【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,869.27  △169.39 (2/10)
NASDAQ: 11,718.12  ▼71.46 (2/10)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はディフェンシブ株が買われたことで3日ぶりに反発しましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出たことで3日続落となりました。28ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に107ドル安まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し徐々に上げ幅を切り上げる展開となりました。引け間際に197ドル高まで上昇したダウ平均は結局169ドル高の33,869ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も8ポイント高の4,090ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は71ポイント安の11,718ポイントとなりました。

2.経済指標等

2月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は66.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、米ミシガン大学調査の消費者が予想する1年先のインフレ率は4.2%と前月を0.3ポイント上回っています。さらに1月の米財政収支の赤字額は387億8400万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが4%近く上昇したほか、公益事業も2%高となりました。また、ヘルスケアと生活必需品も1%近く上げています。一方で一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、情報技術の3業種が下げ、一般消費財・サービスは1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシェブロン(CVX)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%余り上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とメルク(MRK)、ウォルマート(WMT)、IBM(IBM)、ダウ(DOW)、シスコシステムズ(CSCO)、アムジェン(AMGN)も1%以上上昇しました、一方でセールスフォース(CRM)が4%近く下げ、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%余り下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の下げが目立ちテスラ(TSLA)が5%安となり、ネットフリックス(NFLX)も4%余り下落しました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%以上下げています。また、配車サービス大手のリフト(LYFT)が1-3月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで急落し36%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米ミシガン大学調査の消費者が予想する1年先のインフレ率が前月から上昇したことで0.08%高い3.74%となりました。ドル円は131円台前半で推移しています。10日の夕方には、日銀の黒田東彦総裁の後任に元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を政府が固めたと伝わると、長期金利をゼロ%近辺に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)が修正される可能性があるとの見方が広がり一時129円台後半まで円高が進む場面もありました。しかし、植田氏が現状では金融緩和の継続が重要だと述べたと伝わったこともあり131円台まで円が売られました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことや、日銀の新体制への警戒感もあり軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)