東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に3日続落となりました。153円安の27,453円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで181円安の27,424円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋り10時30分過ぎに84円安の27,521円まで持ち直すと126円安の27,479円で前場を終えました。118円安の27,487円安でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると14時50分前にプラスに転じ14時50分過ぎに28円高の27,635円を付けました。しかし、昨日の終値を上回ったところでは上値が重く引けにかけて再びマイナスになると結局22円安の27,584円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上昇したほか、新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
取引時間中の13時25分に第3四半期決算を発表したトヨタ(7203)が0.2%高となりました。世界の生産台数を920万台から910万台に下方修正したものの、通期の業績予想を据え置いたことで決算発表後にプラスに転じ一時1.3%高となる場面もありました。11時30分に第3四半期決算を発表したセガサミーホールディングス(6460)も10.2%高となりました。相対的に利益率の高いパチスロ機が好調なことなどから通期の営業利益の見通しを400億円から450億円に引き上げたことから後場に入って大きく上げ幅を広げました。昨日の引け後に第3四半期決算を発表した住友金属鉱山(5713)も3.9%高となりました。銅やニッケルなどの資源価格の上昇が寄与したうえ、電気自動車向けの車載用電池部品の出荷が想定より伸びていることなどから通期の純利益の見通しを1370億円から1580億円に上方修正したことで大幅高となりました。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)も3.1%高となりました。
ディスカウント店のドン・キホーテで展開する生活雑貨などのプライベートブランド(PB)商品がインフレ下で人気を集めたほか、訪日客向けの免税品売り上げも回復したことなどから上期の営業利益が前年同期比で31.6%増と大幅な増益となったことで買いが優勢となりました。本決算を発表したクラレ(3405)も6.5%高となりました。2023年12月期の営業利益が前期比3.6%減の840億円となる見通しを発表しましたが、市場予想を大きく上回ったことで6.5%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は22円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて利上げの早期停止観測や年内の利下げ期待が後退し昨日の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりました。しかし、節目の27,500円を割り込んだところで昨日と同様に押し目買いが入り下げ渋ると引けにかけて小幅にプラスとなる場面もありました。そのため3日続落となったものの引き続き堅調な地合いを維持しているといえそうです。なお、決算発表が本格化しています。本日も引け後には日本製鉄(5401)や東京エレクトロン(8035)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)