【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,156.69  △265.67 (2/7)
NASDAQ: 12,113.79  △226.34 (2/7)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のインタビューが警戒していたほどタカ派的ではなかったとして反発しました。121ドル安でスタートししばらく軟調に推移したダウ平均は昼過ぎにプラスに転じると急速に上げ幅を広げ280ドル高近くまで上昇しましたが、伸び悩むとパウエルFRB議長が1月の雇用統計についてあれほど強いとは予想していなかったと率直に認め、政策金利を抑制的な水準でしばらく維持する必要があると述べたことで256ドル安まで一気に下落しました。

しかし、パウエルFRB議長がディスインフレのプロセスが始まったとの認識を改めて示し、2023年はインフレが大幅に鈍化するとみているとも述べたことから急速に持ち直すと引け間際に348ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局265ドル高の34,156ドルで取引を終え4日ぶりに反発しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も226ポイント高の12,113ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

12月の米消費者信用残高は前月比115億6000万ドル増に止まり市場予想を下回りました。また、12月の米貿易収支の赤字額は前月比10.5%増の674億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが3%余り上昇したほか、コミュニケーション・サービスと情報技術も2%以上上げました。また、素材と金融も1%を超える上昇となっています。一方で生活必需品と不動産、公益事業の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト(MSFT)が4%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)も4%近く上げました。シェブロン(CVX)も2%を上回る上昇となり、アップル(AAPL)も2%近く上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とホーム・デポ(HD)が1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が4%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も3%近く上げています。半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が5%余り上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%を超える上昇となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とクアルコム(QCOM)も2%以上上げています。

また、クルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が決算で市場予想ほど赤字が膨らまなかったことで7%余り上昇しています。他のクルーズ船株に買いが波及しノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が5%以上上げ、カーニバル(CCL)も2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い3.67%となりました。ドル円は円高に振れ131円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が上昇となる一方でドル円が円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向などをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)