東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて4日続伸となりました。255円高の27,764円で寄り付いた日経平均は9時40分前に175円高の27,684円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと11時20分過ぎに311円高の27,821円まで上昇し292円高の27,801円で前場を終えました。253円高の27,762円でスタートした後場の日経平均は伸び悩み14時30分過ぎに147円高の27,656円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけてやや戻すと結局184円高の27,693円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表した三菱商事(8058)が7.8%高となりました。金属資源や天然ガスなど商品価格の上昇や、不動産運用会社の売却益の寄与もあり通期の純利益の見通しを1兆300億円から1兆1500億円に上方修正したことに加えて、自己株式を除く発行済み株式総数の2.3%にあたる3300万株、1000億円を上限とする自社株買いを発表したことから買いを集めました。また、132円台まで円安が進んだことで自動車株が高く、トヨタ(7203)が一時2.3%高、日産(7201)が一時4.0%高、ホンダ(7267)が一時2.8%高、マツダ(7261)が一時4.7%高、SUBARU(7270)が一時3.0%高、三菱自動車工業(7211)も一時6.6%高となりました。

さらに政府が日銀の雨宮正佳副総裁に次期総裁への就任を打診したと伝わったことで追加的な緩和修正への思惑が後退したことから不動産株が高く、三菱地所(8802)が一時3.3%高、三井不動産(8801)が一時4.4%高、住友不動産(8830)が一時5.1%高、野村不動産ホールディングス(3231)も一時3.4%高となりました。一方で追加的な緩和修正への思惑が後退したことから3メガバンクが安く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.5%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時3.4%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は184円高となりました。強い米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退し先週末の米長期金利が上昇したことに加え、政府が日銀の雨宮正佳副総裁に次期総裁への就任を打診したと伝わったことで大規模な金融緩和策が早期に修正されるとの思惑が後退したことで、一時132円台半ば近くまで円安が進んだことから買いが優勢となりました。後場に入って伸び悩みましたが、節目の27,500円を回復した翌営業日に続伸となったことで先高期待がさらに高まりそうで、一段と本格化する決算発表を支えにどこまで戻りを試せるかが今週もポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やオリックス(8591)、ヤマトホールディングス(9064)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)