東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発しました。156円高の27,483円で寄り付いた日経平均は直後に220円高の27,547円まで上昇しましたが、節目の27,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと前引け5分前に42円高の27,369円まで上げ幅を縮め49円高の27,376円で前場を終えました。43円高の27,370円でスタートした後場の日経平均は13時20分前にマイナスとなる場面もありましたが、4円安の27,322円で下げ渋るとやや戻し結局19円高の27,346円で取引を終えました。一方でTOPIXは下落となりましたが、新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

アドバンテスト(6857)が4.0%高となりました。自動車や高性能コンピューター、産業機器などに使う半導体向けの装置需要が好調に推移したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で59.4%増と大幅な増益となったことを好感した買いが入りました。また、第3四半期の営業利益が前年同期比で41.1%増となったSCREENホールディングス(7735)も5.1%高となったほか、第3四半期の営業利益が前年同期比で23.5%増となったアルプスアルパイン(6770)も5.1%高となっています。

一方で上期決算を発表したレーザーテック(6920)が13.7%安となりました。足元の半導体メモリー市況の悪化などから半導体メーカーが短期の投資計画を一部先送りした影響で2023年6月期の受注高見通しを3000億円から1800億円に下方修正したことで売りが膨らみました。第3四半期の決算を発表し通期の業績予想を下方修正したTOTO(5332)やセイコーエプソン(6724)も大幅安となりました。

TOTOは不動産市況の悪化により米国での販売が落ち込むことなどから通期の営業利益を540億円から490億円に引き下げ一転して減益予想となったことで8.4%安となりました。セイコーエプソンも景気減速を背景にインクジェットプリンターの販売数量見通しを引き下げたことなどから通期の営業利益の見通しを1080億円から940億円に引き下げたことで5.8%安となりました。西松建設(1820)も13.8%安となり昨年来安値を更新しました。建設資材価格の高騰などで採算が悪化しているうえ、海外の大型トンネル工事で施工上の問題が発生し追加費用もかかることから通期の営業利益の見通しを200億円から140億円に下方修正したことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は19円高となりました。米雇用コスト指数の伸びが鈍化し市場予想も下回ったことで賃金インフレへの懸念が後退し昨日の米国市場が反発したことで買いが優勢となりました。朝方には220円高となり節目の27,500円を上回る場面もありましたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあり上値を追う動きは限定的で27,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を大きく縮めました。そのFOMCの結果は日本時間の2日午前4時に発表となります。利上げ幅が前回会合の0.5%から0.25%に縮小するのは織り込み済みのため会合後のパウエルFRB議長の会見に注目が集まりそうで、利上げ停止の時期などについて言及があるかどうかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後には日立(6501)や京セラ(6971)、キーエンス(6861)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時15分には1月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、2日午前0時には1月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。さらに1日の米国ではフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)