コンステレーション・ブランズ(STZ)決算:1株利益は2.83ドルで市場予想を下回る

コンステレーション・ブランズは、米国最大手のマルチカテゴリー・アルコール飲料サプライヤーである。

アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)の米国における排他的・永久的持分の買収により取得した、CoronaやMedeloなどのメキシコ・ビールの商標ポートフォリオが事業の重要な基盤となっている。AB InBevは、これらの権利を2013年のメキシコのビール大手Grupo Modeloの買収に伴い独占禁止法の牴触を回避するために売却した。

近年、ワイン・スピリッツ事業を再編し、多数のワイン・ブランドやBallast Pointクラフトビール・ブランドなど、利益率の低いいくつかの資産を売却した。ほとんどの製品を海外で製造して輸入し、独立系卸売業者を通じて販売している。また、医療用・娯楽用大麻大手のCanopy Growthの株式の36%を保有している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(9月-11月期)実績

★売上高・・・前年同期比5%増の24.37億ドル(市場予想は23.83億ドル) 

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.83ドル(市場予想は2.88ドル) 

決算総括

11月期決算(第3四半期)では、売上高は予想を上回ったものの、調整済みEPS は予想を下回った。ビール消費量とワイン・スピリッツ消費量がそれぞれ予想を下回った。 

今後の株価見通し

主力のビール消費量とワイン・スピリッツ消費量がそれぞれ予想を下回ったことと、通期の調整済みEPSガイダンスレンジを下方修正したことが嫌気された。当面底値模索の動きとなろう。 

チャールズ・シュワブ(SCHW)決算:1株利益は1.07ドルで市場予想を下回る

チャールズ・シュワブは、証券業務、銀行業務、資産運用業務を手掛ける金融サービス会社である。大規模な実店舗型の証券支店網とオンライン証券サイトを運営、モバイル取引機能も備え、証券業界で首位的地位を築いている。また、銀行業務、投資信託事業も展開し、独立系投資アドバイザーにサービスを提供している。

顧客の預り資産残高は6兆5,000億ドル(2022年9月末現在)を超え、投資事業会社では業界最大手に属する。ほぼすべての収益が米国で生み出されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(10月-12月期)実績

★調整後の収入・・・前年同期比17%増の54.97億ドル(市場予想は55.44億ドル) 

★1株当たり利益(調整済み)・・・1.07ドル(市場予想:1.09ドル) 

決算総括 

10-12月期決算(第4四半期)では、調整済みEPS、経常収益とも予想を下回った。1日平均取引件数も予想を下回っている。一方、金利上昇で純金利収入は予想を上回ったものの、銀行預金口座手数料は予想を下回った。

今後の株価見通し

毎回決算では、予想を上回る好決算を発表してきたが、今回は、総アクティブ証券口座数、総顧客資産が予想を下回った。ただし、新規証券口座数は予想を上回った。同社は、ダイレクト・インデックス初め、数々の革新的フィンテックを開発しており、ネット証券のパイオニア的存在である。株価はいったん売られたが、急速に株価は戻し、上昇トレンドを維持している。引き続き青空天井追いとなろう。 

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス(UAL)決算:1株利益は2.46ドルで市場予想を上回る

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスは、米国の大手航空会社である。サンフランシスコ、シカゴ、ヒューストン、デンバー、ロサンゼルス、ニューヨーク/ニューアーク、ワシントンDCなどを拠点(ハブ)空港としている。従来型の競合会社に比べ、より海外旅行に重点を置いたハブ&スポーク型のネットワーク戦略をとる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(10月-12月期)実績 

★営業収入・・・前年同期比51%増の124.0億ドル(市場予想は122.3億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.46ドル(市場予想は2.12ドル) 

決算総括 

10-12月期決算(第4四半期)では、売上高、調整済みEPSとも予想を上回った。旅客収入が好調だった。ガイダンスも公表しており、第1四半期、通期とも調整済み EPSの見通しが予想を大きく上回った。

今後の株価見通し

65ドル超えから、100ドルを目指す展開が予想される。  

モルガン・スタンレー(MS)決算:1株利益は1.31ドルで市場予想を上回る

モルガン・スタンレーは、世界有数の投資銀行で、その歴史は前身となる会社が設立された1924年にまで遡る。

事業は、機関投資家向け証券部門、ウェルス・マネジメント部門、投資運用部門で構成され、さまざまな金融商品やサービスを事業法人、政府系機関、金融機関や個人に提供している。

2021年末時点の顧客資産はおよそ5兆ドルにのぼり、従業員数は全世界でおよそ7万人を超える。純営業収益の約50%は機関投資家向け証券事業、残りをウェルス・マネジメント事業と投資運用事業が占める。米国外の拠点の純営業収益が全体のおよそ30%を占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(10月-12月期)実績 

★収入・・・前年同期比12%減の127.49億ドル(市場予想は124.28億ドル) 

★1株当たり利益・・・1.31ドル(市場予想は1.23ドル) 

決算総括 

10-12月期(第4四半期)総収入、調整済みEPSともに予想を上回った。10-12月期の純利益は前年同期比40%減の22億3600万ドルだった。富裕層向け資産運用部門の好調などを背景に1株利益は1.26ドルとなり、市場予想を上回った。

今後の株価見通し

好決算を受け、同行株は史上最高値近辺まで上昇した。105ドル超えから、140ドルを目指す展開が予想される。 

ゴールドマン・サックス(GS)決算:1株利益は3.32ドルで市場予想を下回る

ゴールドマン・サックスは、世界有数の投資銀行である。インベストメント・バンキング(純営業収益の約20%)、グローバル・マーケット(45%)、アセット・マネジメント(20%)、コンシューマー・アンド・ウェルスマネジメント(15%)の各部門からなる。

純営業収益のおよそ60%を米国、15%をアジア地域、25%を欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で得ている。2008年に銀行持株会社(2009年に金融持株会社)に転換、連邦準備制度理事会(FRB)の監督下にある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★純収入・・・前年同期比16%減の105.93億ドル(市場予想は107.00億ドル) 

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・3.32ドル(市場予想は5.51ドル) 

決算総括 

10-12月期(第4四半期)総収入、調整済みEPSはともに予想を下回った。22年10 -12月期の純利益は前年同期比66%減の13億ドル、純営業収益は16%減の105億ドルだった。投資銀業務の低迷が続いたほか、経費の増加も利益を圧迫した。

今後の株価見通し

不振決算を受け、当面底値模索の動きが予想される。