【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,978.08  △28.67 (1/27)
NASDAQ: 11,621.71  △109.30 (1/27)

1.概況

先週末の米国市場はPCEデフレーターの伸びが前月から鈍化したことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が強まり小幅に続伸となりました。3ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に170ドル高近くまで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ118ドル安まで下落しました。しかし、持ち直すと昼前にプラスとなり上げ幅を広げ取引終盤には214ドル高まで上昇しました。その後利益確定の売りが出て引けにかけて急速に上げ幅を縮めましたが結局28ドル高の33,978ドルで取引を終え6日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も109ポイント高の11,621ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

1月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は64.9と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。12月の中古住宅販売仮契約指数も前月比2.5%上昇の76.9となり市場予想を上回っています。一方で12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減となり市場予想を下回りました。また、変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレーターは前年同月比4.4%上昇となり前月の4.7%上昇から伸びが鈍化しています。12月の米個人所得は前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや不動産、コミュニケーション・サービスなどの6業種が上げ、一般消費財・サービスは2%を超える上昇となりました。一方でエネルギーやヘルスケア、素材などの5業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算と同時に発表した通期の業績予想が市場予想を上回ったアメリカン・エキスプレス(AXP)が10%以上上げ上昇率トップとなったほか、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったビザ(V)も3%近く上げています。一方で決算が市場予想を下回ったうえ、1-3月期の1株損益が赤字となる見通しを発表したインテル(INTC)が6%以上下げ下落率トップとなり、決算で1株利益が市場予想を下回ったシェブロン(CVX)も4%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、25日に発表した決算を好感した買いが続きテスラ(TSLA)が11%高となっています。また、他の主力ハイテク株も上昇が目立ちアマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が3%高となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%近く上昇しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い3.51%となりました。ドル円は129円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)