今週の日本株相場の展開について、コンセンサスはおそらく「1月31日~2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動きにくい」というものではあるまいか。しかし、僕はそうならないと思う。

第一に、次回FOMCでの利上げ幅は0.25%に縮小されるとの見方が大勢を占める。FED Watchによれば、0.25%幅の利上げの織り込み度合いは99.3%。それ以外の見方をしているのは1%にも満たない。これだけコンセンサスが出来上がっていれば、「FOMCを控えて動きにくい」ということもあるまい。

第二に、日米で決算発表が本格化してくる。国内では、24日には日本電産、ディスコ、26日には信越化学、日東電工、27日にはファナック、日立建機などが発表予定。これらを見ると好業績が期待される企業ばかりだ。好決算を受けて相場の地合いが改善される公算が高い。米国ではマイクロソフト、テスラなどが決算を発表する。このところ、米IT大手の人員削減のニュースが報じられているが、それは悪材料ではない。実際、グループ社員の約6%にあたる1万2000人を削減すると発表したグーグルの親会社、アルファベットの株価はその発表を受けて5%上昇した。すでに人員削減を発表しているマイクロソフトが、リストラ効果を反映した先々の見通しを示せば、市場は好反応を示すだろう。

今週の主な経済指標・イベントは23日に日銀金融政策決定会合議事要旨(12月開催分)、26日に日銀金融政策決定会合「主な意見」(1月開催分)、米10-12月期国内総生産(GDP)速報値、27日に米12月個人消費支出(PCE)・個人所得・PCEコアデフレータの発表がある。PCEコアデフレータは前年比4.4%上昇と3カ月連続の鈍化が見込まれている。予想通りなら相場の追い風になる。

日銀の政策変更を巡る市場の動揺も落ち着きつつある。日本の翌日物金利スワップ(OIS)の金利も低下していることがそれを示唆していると言えるだろう。一方、米長期金利は18日に3.3%台後半まで低下し、約4カ月ぶりの低水準になった。それでも極端な円高には振れていない。日米ともに金利が低下しているので金利差に目立った変化がないからだ。株式市場にとって好環境である。最近のパフォーマンスがTOPIXに対して劣後している日経平均の出遅れ修正に期待したい。

予想レンジは2万6200円~2万7000円とする。