東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円高を受けて6日ぶりに反落となりました。58円安の26,391円で寄り付いた日経平均は直後に40円安の26,409円を付けた後下げ幅を広げ10時30分過ぎに358円安の26,090円まで下落すると306円安の26,143円で前場を終えました。290円安の26,159円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに258円安の26,190円を付けた後引けにかけて下げ幅を広げ大引け間際に354円安の26,095円まで下落すると結局330円安の26,119円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時6.1%高となり上場来高値を更新しました。海外コンビニ事業が好調なうえ、国内コンビニ事業も人流の回復で販売が伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを4770億円から市場予想を上回る5000億円に上方修正したことで買いを集めました。また、長期金利が日銀の許容する変動幅の上限の0.5%程度を超えて上昇したことから利ざやの改善を期待した買いが入りメガバンクが昨日に続いて昨年来高値を更新しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.4%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時4.0%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時3.0%高となりました。

さらに半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日本で2番目となる半導体工場の建設を検討していると明らかにしたことで半導体製造装置関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が3.0%高、レーザーテック(6920)が5.7%高、アドバンスト(6857)も2.8%高となりました。一方でファーストリテイリング(9983)が8.0%安となり、日経平均を1銘柄で217円押し下げました。ゼロコロナ政策での店舗の臨時休業もあり中国が苦戦したことや、原材料コストの上昇や人件費の増加もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で2.0%減となり市場予想も下回ったことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は330円安となりました。12月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見通しが強まりドル円が大幅な円高となったことで売りが優勢となりました。

また、指数寄与度の大きいファーストリテイリングが大幅安となったことで下げ幅を広げました。来週は18日に日銀の金融政策決定会合の結果が発表となります。その会合で金融緩和策の副作用を点検すると伝わったことから日銀が追加的な緩和修正に動くとの思惑も浮上しています。そのため結果次第で相場が大きく動く可能性もありそうです。なお、2月決算企業の第3四半期決算発表が続いています。本日も引け後にはイオン(8267)や吉野家ホールディングス(9861)などが決算を発表する予定です。

さらに米国では2022年10-12月期の決算発表がスタートする予定です。13日にはJPモルガン・チェース(JPM)やシティーグループ(C)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)