東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。186円高の26,362円で寄り付いた日経平均は直後に156円高の26,332円を付けた後上げ幅を広げ10時40分前に304円高の26,479円まで上昇しましたが、節目の26,500円を前に伸び悩むと282円高の26,457円で前場を終えました。

246円高の26,422円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに275円高の26,451円を付けた後14時40分過ぎに244円高の26,419円を付けるなど26,400円台で小動きになると結局270円高の26,446円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表した安川電機(6506)やローソン(2651)が買われました。安川電機は電気自動車への移行や人手不足による生産自動化の需要を取り込んだことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で20.5%増となったことから6.3%高となり、ローソンも人流が戻ったことで国内コンビニ事業やイベントのチケット販売などを手掛けるエンタテインメント事業が回復したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で16.8%増となったことから一時4.1%高となりました。上期決算を発表した神奈川県を中心にドラッグストアを展開するクリエイトSDホールディングス(3148)も新型コロナウイルスの感染拡大による抗原検査キットや風邪薬の需要増加を反映し通期の業績予想を上方修正したことで減益予想が一転して増益予想となったことから一時4.4%高となっています。

一方で本決算を発表したキユーピー(2809)が7.3%安となりました。食用油や鶏卵、包装資材やエネルギーといったコストの上昇が響き2023年11月期の営業利益が前期比で17.4%減となる見通しを発表したことで売りが膨らみました。コジマ(7513)も一時6.9%安となりました。テレビや冷蔵庫など利益率の高い商品の売れ行きが低調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で72.6%減となったことで大幅安となりました。第3四半期決算を発表した東京個別指導学院(4745)も一時7.3%安となり昨年来安値を更新しました。主力とする高校3年生を中心に問い合わせや在籍数が前年を下回ったことなどから通期の業績予想を下方修正したことで増益予想が一転して減益予想となり売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は270円高となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でタカ派的な発言がなかったことを好感し昨日の米国市場が上昇したことから買いが優勢となりました。節目の26,500円を前に伸び悩んだものの一日を通して堅調に推移したことから調整一巡への期待がさらに高まりそうですが、明日も引き続き買いが優勢となった場合には米消費者物価指数(CPI)の発表を夜に控え様子見となりやすいなかで本日超えることのできなかった節目の26,500円を上回って水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にはエービーシー・マート(2670)やコーナン商事(7516)、ライフコーポレーション(8194)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)