【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,136.37  ▼10.88 (1/3)
NASDAQ: 10,386.99  ▼79.50 (1/3)

1.概況

2022年12月30日の米国市場は長期金利の上昇を嫌気して小幅に反落となりました。ダウ平均は99ドル安でスタートすると下げ幅を広げ昼過ぎに372ドル安まで下落しましたが、その後下げ渋ると年末ということもあって持ち高調整の買いが入り引けにかけて急速に持ち直しました。結局ダウ平均は73ドル安の33,147ドルで取引を終えています。この結果2022年のダウ平均は年間で8.8%下落となり4年ぶりのマイナスとなっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も11ポイント安の10,466ポイントとなり、年間では33.1%下落となっています。昨日の米国市場はアップル(AAPL)やテスラ(TSLA)の大幅下落が重石となり続落となりました。1ドル高でスタートしたダウ平均は長期金利の低下を好感して朝方に240ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎには296ドル安まで下落しました。その後も下げ渋ると引けにかけて前日終値近辺まで持ち直したダウ平均ですが戻し切れず結局10ドル安の33,136ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も79ポイント安の10,386ポイントとなっています。

2.経済指標等

2022年12月30日に発表となった12月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は44.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、昨日発表の11月の米建設支出も前月比0.2%増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

2022年12月30日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げ、不動産と公益事業が1%近く下落しています。昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、一般消費財・サービスなどの6業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、情報技術も1%安となりました。一方でコミュニケーション・サービスや金融、不動産などの5業種が上げ、コミュニケーション・サービスが1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

2022年12月30日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではホーム・デポ(HD)とトラベラーズ(TRV)が1%以上下げたほか、マクドナルド(MCD)も1%近く下落しました。一方でインテル(INTC)とボーイング(BA)が1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株がまちまちでテスラ(TSLA)とネットフリックス(NFLX)が1%以上上昇し、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も小幅に上げました。

しかし、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)は小幅に下げています。昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではアップルが複数のサプライヤーに一部製品の部品生産を減らすように要請したと伝わったことで3%を超える下げとなったほか、シェブロン(CVX)も原油価格の下落を受けて3%余り下げました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%以上下落し、コカ・コーラ(KO)も1%安となっています。

一方でボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)、スリーエム(MMM)が2%を超える上昇となり、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外ではテスラが12%を超える下落となりました。2022年10-12月期の販売台数や2022年年間の販売台数は前年を大幅に上回りましたが、市場予想に届かなかったことで失望売りが膨らみました。

5.為替・金利等

2022年12月30日の長期金利は0.05%高い3.87%となりました。昨日の長期金利は0.13%低い3.74%となりました。ドル円は131円近辺で推移しています。3日には一時129円台を付け2022年6月上旬以来、約7ヶ月ぶりの円高水準となる場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

大発会となる本日の日本市場は米国市場でダウ平均が昨年末と昨日の2日間で80ドルを超す下げとなったことや、ドル円が円高に振れていることから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の26,000円を割り込みそうですが、26,000円を下回ったところで押し目買いの動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)