東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。64円高の26,299円で寄り付いた日経平均は直後に59円高の26,294円を付けた後上げ幅を広げ取引開始から5分余りで203円高の26,438円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時過ぎに66円高の26,301円まで上げ幅を縮めました。しかし、前引けにかけて持ち直すと134円高の26,369円で前場を終えました。133円高の26,369円でスタートした後場の日経平均はやや上げ幅を広げ13時40分過ぎに176円の26,411円を付けると結局170円高の26,405円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
出光興産(5019)が2.8%高となりました。2023年3月期に自社株買いを軸とした700億円規模の追加の株主還元に踏み切るとみられると伝わったことで買いが優勢となりました。塩野義製薬(4507)も一時2.5%高となりました。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」で中国での安定供給に向けて現地企業と提携したと発表したことを材料視した買いが入りました。オフィス家具大手のイトーキ(7972)も4.7%高となり年初来高値を更新しました。資産効率向上のために大阪府寝屋川市に保有していた土地や工場を売却し固定資産売却益を計上することなどから2022年12月期の純利益の見通しを27億円から50億円に上方修正したことで買いを集めました。
中古車販売のネクステージ(3186)も一時4.9%高となりました。買い取り台数が増加したことやコスト削減の効果もあり2022年11月期の業績予想や配当予想を上方修正したことを好感した買いが入りました。日揮ホールディングス(1963)も3.5%高となりました。マレーシアで液化天然ガス(LNG)を洋上で生産するプラントを韓国サムスン重工業と共同で受注したと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。また、原油価格の上昇を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が高く、INPEXが2.5%高、石油資源開発も3.3%高となりました。
一方で小野薬品工業(4528)が4.1%安となりました。胃がんまたは食道胃接合部がん患者を対象としたオプジーボと化学療法の併用による術後補助療法において第3相臨床試験の主要評価項目が未達だったと発表したことを嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は170円高となりました。原油価格の上昇を受けて資源高の恩恵を受けやすい銘柄に買いが入り先週末の米国市場が上昇となったことで反発となりました。しかし、22日の反発を挟んで先週末までの7日間で1,900円以上も下げた後としては上値が重かったといった印象です。日銀による突然の政策修正のショックをまだ引きずっているということなのでしょうが、こうしたなかで大納会に向けてここからさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。
なお、16日の西松屋チェーン(7545)を皮切りに小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日の引け後にはしまむら(8227)や高島屋(8233)などが決算を発表する予定です。また、今晩の米国市場はクリスマスの振り替え休日で休場です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)