【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,849.74  △92.20 (12/20)
NASDAQ: 10,547.11  △1.08 (12/20)

1.概況

米国市場は景気敏感株を中心に短期的な戻りを見込む買いが入り5日ぶりに反発となりました。22ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に108ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ取引終盤には234ドル高まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと結局92ドル高の32,849ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の10,547ポイントとなっています。

2.経済指標等

11月の米住宅着工件数は年率換算で前月比0.5%減の142万7000戸となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやコミュニケーション・サービス、素材などの7業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で一般消費財・サービスや不動産などの4業種が下げ、一般消費財・サービスは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではIBM(IBM)とシェブロン(CVX)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ボーイング(BA)、トラベラーズ(TRV)、キャタピラー(CAT)が1%以上上げました。一方でインテル(INTC)とスリーエム(MMM)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ(TSLA)が目標株価の引き下げを受けて8%余り下落したほか、食品のゼネラル・ミルズ(GIS)も決算資料で消費の減速やインフレ、供給網混乱など今後の懸念材料を指摘したことで4%以上下げています。バイオ製薬のモデルナ(MRNA)は目標株価の引き上げを受けて6%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い3.68%となりました。日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したことによる長期債売りが米国債にも波及しました。こうしたなかドル円ではさらに円高が進み131円台後半で推移しています。一時は130円台半ばまで円高となる場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な上昇に止まるなかさらに円高となっていることもあり軟調なスタートが予想されます。こうしたなか4日間で1,600円近く下げた日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)