先週は2022年最後の経済指標の発表ラッシュでした。12月13日(火)に発表された11月の米CPI(消費者物価指数)は、市場予想を下回る前年同月比+7.1%という結果でした。依然高い数字ですが、5ヶ月連続低下しており、2022年6月ピーク時の+9.1%に比べると、だいぶ下がった印象です。

5ヶ月後に2%ほど下がっていれば、2023年末には+2%台が視野に入ってくるでしょう。このように考えると、2023年の夏以降が株式市場の底打ちとなるのではないでしょうか。金融市場に大きなダメージを与えるような出来事がなければFRB(米連邦準備制度理事会)が目指す経済のソフトランディング(軟着陸)に成功するのではないかと思います。暗号資産も似たような値動きになるように考えています。

BTC(ビットコイン)、次の買い場は190−200万円か

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

日足チャートから分析していきます。

BTC(ビットコイン)は、米CPIの結果を受けて上昇し、FOMC(米連邦公開市場委員会)後に反落しました。前述の通り、米CPIは市場予想を下回ったものの、まだ高すぎるというのがマーケットの本音ではないでしょうか。

FOMCを終えて公開されたドットチャート(政策金利の見通し)は市場予想を上回る内容となりました。FRBメンバーは利下げの意志を示さず、政策金利の高止まりを再度示唆しました。

このような状況から、12月後半には2023年のリセッションに向けた動きが出始めそうです。サポートラインは220万円ですが、ここを割り込む前提で注意しておいた方がよいでしょう。引きつけて買う場合、200万円あたりが節目になると思います。

ドル建ですと、2019年の高値14,000ドルになります。14,000ドルがサポートラインになると思いますので、日本円に換算しますと、ちょうど190万円前後になります(1ドル=136円で換算)。190万円手前でも、買い指値注文を準備するなど、二段構えで臨む方がよいでしょう。

ETH(イーサリアム)、MACDはデッドクロスを形成

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析に移ります。

再び下落に転じ、16万円強で推移しています。サポートラインは15万円となっており、あと7-8%ほど下がると2022年下期の安値更新となりそうです。

MACDも0.00ラインまで回復し、デッドクロスとなりました。ここから出現する陰線は順張りでついていけそうです。テクニカル的にショートトレードがワークしやすい地合いなってきているので、押し目買いは控えめにしておいた方がよさそうです。

タイミングとしては、今週前半から中盤にかけて仕掛けが入るように考えています。その理由を、以下の4時間足チャート分析でお伝えします。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足のSMA30(1ヶ月移動平均線)がローソク足に追いついてきたタイミングが戻りの高値となり、そこから再度反落する流れになるように考えています。SMA30の下落角度から考察しますと、時間差にして火曜日から水曜日にかけて反落するように考えています。それが合図となり、下値ブレイク再開をイメージしています。

15万円割れとなれば、ちょっとしたストップロス注文が入りそうですから、年初来安値の12万円を目指すかたちで下値更新の可能性もありそうです。

ETHは12万円の大型サポートライン手前からの買いを意識しています。今週も売り戦略を継続し、深い押し目を待つ姿勢を堅持したいと思います。