米ドル/円 週間予想レンジ:136.00~140.00
メインストラテジー:押し目買い
・FOMCの通過で底堅い展開へ
・切り返し継続の基盤高まる
・140円の節目を一旦試す
アナリシス:
米ドル/円相場は先週さらに値幅を縮小させ、先々週と同様、小幅な切り返しを果たした。米連邦公開市場委員会(FOMC)の通過や、年内の取引日における材料の出尽くしもあって、内部構造に沿った値動きを強める公算が大きい。
言ってみれば、先週の見方をこのまま踏襲、また修正する必要はなかった。今月初頭までの下落は、短期スパンでは売られ過ぎの状況であったため、一旦反発してくることは想定内だった上、FOMC通過後だからこそ、切り返し継続の蓋然性が高まったと言える。
12月2日までの大きな続落が、133.62円を一旦トライし、下値余地を拡大していたことは前回のコラムでの解説通りである。また、先々週の切り返しがあっても、なお弱気変動を維持し、先週の米消費者物価指数(CPI)やFOMCを控え、再度波乱があってもおかしくないことも先週の時点で想定していた。しかし、想定より波乱がなかったことにより、底堅さが証明され、弱気変動を一時修正していくことが想定されるだろう。ただし、上値余地が限定されるのも自然の成り行きとみている。
そもそも11月21日~25日の1週間に一旦142.26円をトライしたものの、再度頭売りを果たし、週足では陰線で大引け、この前の切り返しの勢いを踏襲できなかった上、2022年3月安値から6月安値を連結する元支持ラインの延長線を見事にタッチしてから反落したことは大きい。同ラインをレジスタンスラインと一旦認定し、頭の重い構造を再確認したわけで、推進波としての下落波の構造を暗示していた。
そのため、130円大台の打診は我々のシナリオ通りであり、早かれ遅かれ達成されると繰り返し指摘してきた。米ドル/円におけるトレンドの転換が示唆されたわけで、8月安値への「逆戻り」を当然な成り行きとみて、年末年始における切り返しの継続を有力視しているが、あくまでこれは途中段階の速度調整と位置付けている。そのため、短期スパンにおける「売られ過ぎ」に対する修正(切り返し)が先行されやすい時期であるだけに、FOMC通過後はむしろ一段と切り返しを果たしやすいと推測され、先週の値動きもその前兆を示した。
12月13日に米CPIを受けて下落し、日足で大陰線を形成、その翌日の12月14日にFOMC通過があって再び陰線で大引けしたが、これは値幅限定である上、12月15日の大幅切り返しで下落値幅をほぼ帳消しした。このような連続した値動きは強気サインと解釈され、底堅さが証明された以上、切り返しを継続できる公算が大きい。
米利上げのプロセス自体が継続され、米2年国債利回りが本格的な反落を見せないうちは、米ドル/円の下値余地がたちまち拡大していくとは想定し難い。米利上げ減速を目いっぱい織り込んでいる以上、また130円大台を狙いに定めた以上、テクニカル上における「売られ過ぎ」のサインがすでに確認され、また先々週に続き、先週も底打ちのサインを実際すでに点灯させているため、紆余曲折でも一旦142円関門の打診が想定される。今週はまず140円関門のトライを見込んでいる。
豪ドル/円 週間予想レンジ:91.00~93.00
メインストラテジー:押し目買い
・頭打ちで試練が続く
・底打ちの後ずれも
・底割れ回避の公算
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週再度反落し、大陰線を形成していた。先々週の切り返しは、値幅こそ限定されたものの、92円台後半の大引けをもって再度底打ちのサインを点灯したと思われるが、先週の反落で同サインを一旦否定し、試練が続く状況を示唆している。
この意味合いでは、11月28日~12月2日の1週間で大きく下落し、再度10月安値をトライした流れがなお続いており、また想定外の「底割れ」により先々週の切り返しで一旦否定されたように見えたものの、地合いの改善がなお確認できず、底打ちの後ずれを覚悟せざるを得ない。
とはいえ、先月末や今月初頭における見方と同様、「底割れ」があっても、あくまで保ち合いの一環と見なし、ベアトレンドへの転換は想定し難い、という見方を維持したい。弱気変動の継続を覚悟するものの、あくまで底打ちのサインの点灯を再度期待し、ベア志向にはならないようにしたい。ただ、先週の値動きを軽視すべきではなく、想定より豪ドルの頭の重さはしばらく続くとみている。
12月13日の日足は、一旦11月30日高値をブレイクしたものの、その後大きく反落してきた。94円関門手前まで迫ったものの、終値では93円関門を切り込み、「スパイクハイ」のサインを点灯させた上、事実上「ダマシ」のサインと化していた。
底打ちの形として先々週すでに想定していたように、10月安値と相まって、「ダブル・ボトム」を形成していた上、先々週の切り返しで蓋然性が一旦高まったものの、先週の弱気サインの点灯で再度試されることとなり、目先としてはなお油断できない。言ってみれば、「ダブル・ボトム」の構造がなお維持される公算が大きいのだが、今週の値動き次第では、再度見なされる可能性がある。
もっとも重要な週足は、10月17日~21日に形成され、同週の大陽線があって、その後の値動きと「インサイド」のサインを形成、11月末まで10月後半以来5週間連続なので、本来上放れの示唆であった。12月2日までの安値を更新し、結果的に下放れとなったわけで、先々週の切り返しだけではなお安心できない。この意味合いにおいて、先週の再反落も想定範囲内であった。
ただし、今週下値打診があっても、それでも継続的な安値トライを回避できると考えている。理屈としては32年ぶりの高値を一旦更新した米ドル/円に比べ、豪ドル/円は大きく出遅れた。その大きな背景として、米ドル全面高の中、豪ドルの優位性が試されてきた経緯があった。
しかし、10月以来豪ドル対米ドルの切り返しは順調で、豪ドルの優位性が証明され、これから出遅れを挽回してくるだろう。また年初来高値更新を果たしたユーロ/円や英ポンド/円に比べ、豪ドル/円の年初来高値更新がむしろ自然の成り行きであり、短期スパンにおける地合いが悪化しても、中段保ち合いの一環と位置付け、継続的なベアトレンドへの転換は考えにくい。
とはいえ、仮に底割れを再度回避できたとしても、豪ドルにおける頭の重い構造が当面維持される可能性もある。先週「ダマシ」のサインがあっただけに、当面レンジ変動に留まるだろう。言ってみれば、94円関門を本格的に上回れない限り、豪ドルが強くても安値圏での保ち合いに留まり、土台作りの先行が必要とされる。今週の押し目買いスタンス自体が適切だと思うが、楽観し過ぎないように注意しておきたい。