東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。225円高の28,067円と節目の28,000円を上回って寄り付いた日経平均は直後に274円高の28,116円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと10時30分過ぎに65円高の27,907円まで上げ幅を縮め103円高の27,946円で前場を終えました。
76円高の27,919円でスタートした後場の日経平均は直後に67円高の27,909円を付けた後やや上げ幅を広げ大引け間際に140円高の27,982円まで上昇すると結局112円高の27,954円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
塩野義製薬(4507)が一時2.9%高となりました。加藤勝信厚生労働相が新型コロナウイルス治療薬のゾコーバを追加で100万人分購入する契約を塩野義製薬と結んだと発表したことを材料視した買いが入りました。ラクスル(4384)も22.9%上昇しストップ高となりました。主力のネット印刷が好調で第1四半期の営業利益の通期予想の上限に対する進捗率が29.4%となったことに加えて、株式分割と自社株買いを発表したこともあり買いを集めました。明和地所(8869)も一時9.4%高となり年初来高値を更新しました。600株以上を保有する株主に対して保有株式数に応じて株主優待ポイントを贈呈する株主優待制度の導入を発表したことを好感した買いが入りました。本決算を発表したマンション開発などを手掛けるグッドコムアセット(3475)も20.7%上昇しストップ高となりました。法人や個人向けのマンション販売件数が増加することなどが見込まれ2023年10月の営業利益が前期比で18.2%増となる見通しを発表したことで買いが膨らみました。
一方で工具通販大手のMonotaRo(3064)が7.3%安となりました。11月の売上高は前年同月比15.8%増となったものの10月の17.5%増から伸びが鈍化したことで大幅安となりました。本決算を発表したくら寿司(2695)も一時4.6%安となりました。販売価格の引き上げや新型コロナウイルス禍の行動制限緩和による客数増が見込まれることから2023年10月の営業損益が前期の11億円余りの赤字から30億円の黒字に転換する見通しを発表しましたが、市場予想に届かなかったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は112円高となりました。重要イベントを前に持ち高調整の買いが入り昨日の米国市場が大幅上昇となったことで反発し、寄り付き直後には274円高まで上げ幅を広げ節目の28,000円を回復する場面もありました。
しかし、11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり様子見ムードが強く伸び悩むと28,000円を割り込んで取引を終えています。その米CPIは日本時間の22時30分に発表となります。10月から伸びが鈍化するとみられていますが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表前ということもありマーケットの注目をいつも以上に集めそうです。
また、明日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定でこちらも注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)