今週は今年最後にして最大のスペシャル・ウィーク。11月の米消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)、さらには欧州中央銀行(ECB)定例理事会や英イングランド銀行の金融政策委員会も開催される中央銀行ウィークでもある。

一応、メインシナリオを掲げておこう。13日発表の米11月消費者物価(CPI)はコアで前年同月比6.0%上昇と10月から一段と上昇率が鈍る見込み。12月13-14日開催のFOMCでは米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ幅をそれまでの0.75%から0.50%に縮小すると見られている。このメインシナリオが外れた場合、言うまでもなく市場は波乱の展開となるだろう。

ただし、インフレの落ち着き、FRBの利上げ幅縮小はすでに織り込み済みだ。それらに増して重要なのがFOMCで示される経済予測とそれに対する市場の反応だ。それこそが読み切れない不確定要素である。利上げの最終到達点(ターミナルレート)はもちろん、インフレ率、失業率などについてFRBメンバーがどう見ていて、利上げをどこまで進めるか(どこで止めるか)など重要な着目点は多い。結果次第で相場は上下どちらも大きく動き得る。このイベントへのベットはギャンブルでしかない。予断は禁物、まずは静観しよう。

23年前半での利上げ停止が明確に示されるなどポジティブな結果となった場合、まず米国株が上昇するだろうから、そこから追随して買っていっても遅くはない。

中銀ウィークの陰に隠れて目立たないが今週は他にも重要な指標の発表が多くある。12日に11月企業物価指数、10-12月法人企業景気予測調査、14日には日銀短観と機械受注の発表がある。15日には中国の鉱工業生産・小売売上高、NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。

経済指標ではないが12日、恒例の「今年の漢字」が発表される。京都の清水寺で森清範貫主が力強く揮毫する光景は年末の風物詩だが、株式相場の材料になることもあるので一応、押さえておこう。

新興市場では14日にビジョナル(4194)、セルソース(4880)、スマレジ(4431)、15日にはANYCOLOR(5032)といった人気銘柄の決算発表がある。CPI、FOMCの結果で米国金利が低下すれば、新興市場が買われやすくなるだけに、これらの銘柄の決算発表にも注目したい。

今週の日経平均の予想レンジは2万7500円~2万9000円とする。