過去最大規模の投機円売り解消と急激な円高が連動=2024年7月
2024年7月、日本の通貨当局による為替介入をきっかけに161円から1ヶ月もしないうちに141円まで約20円も米ドル安・円高への急転換が起こった。この米ドル安・円高は、当時過去最高規模に拡大していた投機筋の円売り越しが消滅し、さらに買い越し拡大に向かう動きと強く相関した(図表1参照)。
以上のように見ると、2024年7月に161円を記録し「歴史的円安」と呼ばれた動きは、投機筋の円売りの影響が大きく、このため投機筋の円売りの修正が一転して急激な円高をもたらしたのではないか。
足下の投機円売り消滅なら米ドル/円は155円割れか
最近にかけて、投機筋の円売り越しは2024年7月以来の規模に拡大してきた。その意味では、162円も超えてきた最近の米ドル高・円安も、投機筋の円売りの影響が大きかった可能性がありそうだ(図表2参照)。
そうであれば、投機筋の円売りポジションが縮小に転じる動きは、どこまで米ドル安・円高に戻るかの1つの参考になる可能性がある。この間の米ドル/円と投機筋の円ポジションの関係を前提にすると、仮に投機筋の円売りポジションが消滅した場合は、155円割れまで米ドル安・円高に戻すという見通しになりそうだ。
最初の焦点は円売りポジションの損益分岐点割れ=120日MAは158円
2024年7月、投機筋が過去最大規模の円売り越しを、短期間で一転して消滅させることになったのは、円売りポジションの損失拡大懸念が強まった影響が大きかったと考えられる。投機筋の代表格であるヘッジファンドの円売りポジションは、120日MA(移動平均線)が損益分岐点の目安との見方があるが、それより米ドル安・円高になった頃から、円売りポジションを処分する動きが加速したためだ(図表3参照)。
そうした観点からすると、今回の場合も投機筋の円売りポジションの処分が本格化するかの最初の焦点は、損益分岐点を割り込むかということになるだろう。米ドル/円の120日MAは足下で158円程度なので、それより米ドル安・円高になり、円売りポジションの損失拡大懸念が広がるか。それが、2年前の2024年7月のような円安から円高への大反転が再現するかを考える上での1つの手掛かりになりそうだ。
