東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて5日ぶりに反発となりました。304円高の28,273円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で454円高の28,423円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時20分前に264円高の28,233円まで上げ幅を縮め312円高の28,281円で前場を終えました。306円高の28,275円でスタートした後場の日経平均は14時20分前に328円高の28,297円を付けた後引けにかけて上げ幅を縮めると257円高の28,226円と本日の安値で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が6%近い上昇となったことから日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.0%高となったほか、レーザーテック(6920)が5.2%高、SCREENホールディングス(7735)が2.8%高、アドバンテスト(6857)が4.4%高、ルネサスエレクトロニクス(6723)も3.5%高となりました。ACCESS(4813)も一時20.1%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。第3四半期9ヶ月間累計の営業損益は17億円近い赤字となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業損益が3億円を超す黒字となり11四半期ぶりに黒字転換したことで買いを集めました。ツルハホールディングス(3391)も3.9%高となりました。客数が増加に転じたことで11月の既存店売上高が前年同月比で4.7%増と2ヶ月連続でのプラスとなったことで買いが優勢となりました。
また、目標株価の引き上げを受けて買われたのが東海カーボン(5301)やニトリホールディングス(9843)で、東海カーボンが4.5%高となり、ニトリホールディングスも4.0%高となりました。
一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて三菱地所(8802)や住友不動産(8830)が安く、三菱地所が3.1%安、住友不動産も3.6%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は257円高となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演会で利上げペースの減速時期は12月の会合になる可能性があると述べたことで利上げ減速観測が強まり昨日の米国市場が大幅上昇となったことで買いが優勢となり節目の28,000円を回復しました。こうしたなかで師走相場入りとなったこともあり年末ラリーへの期待も出てきそうですが、28,000円を超えると押し戻される展開が続いているだけに28,000円で下値を固めることができるかがまずはポイントとなりそうです。
なお、日本時間の22時30分に米新規失業保険申請件数や10月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、2日の午前0時には11月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)