カタールのサッカー・ワールドカップ。開幕前から、外国人労働者を不当に労働させたとか、様々な人権問題が浮かび上がっていましたが、開幕したら、今度は違う形でまた人権問題にスポットライトが当たりました。
イラン代表が、その初戦で、試合前の国歌斉唱を拒否し、国歌のBGMが流れる中、選手同士で肩を組み、しかし声を一切出さなかったのです。イランでは9月に、頭部を覆うスカーフ(ヒジャブ)を適切に着用しなかったと22歳の女性が逮捕され、拘束中に死亡し、以来反政府の抗議運動が全国に、或いは世界中に広がっていました。
今回は、国を代表するチームが、最高指導者ハメネイ師から祖国を侮辱することのないよう選手たちに警告していた中で、反政府の抗議をする人たちとの連帯を示すために、世界中のテレビの前で、このような抗議をした訳です。映像を見ると、選手達の顔には、決意と不安が混ざっているように見えます。選手達がちゃんと守られることを切に願います。