【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  33,546.32   ▼7.51  ( 11/17 )
NASDAQ:  11,144.96   ▼38.70  ( 11/17 )

1.概況

米国市場はセントルイス連銀のブラード総裁が政策金利についてまだ十分に景気に制限的な水準に達していないと述べタカ派的な姿勢を示したことで小幅に続落となりました。224ドル安でスタートしたダウ平均は直後に314ドル安まで下落した後持ち直すと昼過ぎにプラスに転じましたが、62ドル高で伸び悩むと再びマイナスとなり取引終盤には170ドル安近くまで下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが戻し切れず結局7ドル安の33,546ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も38ポイント安の11,144ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の22万2000件となり市場予想以上に改善しました。また、10月の米住宅着工件数は年率換算で前月比4.2%減の142万5000戸となりましたが市場予想を上回っています。一方で11月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数はマイナス19.4と前月から悪化し改善を見込んでいた市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、公益事業と一般消費財・サービスが1%を超える下落となったほか、素材も1%近く下げました。一方で情報技術とエネルギー、生活必需品の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回り、通期の業績予想を引き上げたシスコシステムズ(CSCO)が5%近く上げ上昇率トップとなったほか、メルク(MRK)も2%を上回る上昇となりました。アップル(AAPL)とアムジェン(AMGN)、インテル(INTC)、IBM(IBM)も1%以上上げています。一方でセールスフォース(CRM)が3%以上下げ下落率トップとなり、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%を超える下落となりました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とホーム・デポ(HD)も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、百貨店のメーシーズ(M)が決算で通期の1株利益の見通しを引き上げたことで15%高となっています。アリババ集団(BABA)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで8%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%高い3.76%となりました。ドル円は140円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)