【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,715.37 △1,201.43 (11/10)
NASDAQ: 11,114.15 △760.97 (11/10)
1.概況
米国市場は米消費者物価指数(CPI)の伸びが9月から減速し市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が広がり大幅反発となりました。749ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに1,000ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩み770ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げ一段高になると結局1,201ドル高の33,715ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も760ポイント高の11,114ポイントとなり7%を超える上昇となっています。
2.経済指標等
10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.7%上昇と伸びが9月から減速し市場予想も下回りました。変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比6.3%上昇と伸びが9月から減速し市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件増の22万5000件となり市場予想以上に悪化しています。10月の米財政収支の赤字額は前年同月比46.8%減の877億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が8%を超える上昇となったほか、不動産と一般消費財・サービスも7%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はマクドナルド(MCD)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース(CRM)が10%高となったほか、アップル(AAPL)とホーム・デポ(HD)、マイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)、ナイキ(NKE)も8%以上上げました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とビザ(V)も6%以上上昇し、ボーイング(BA)も5%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ち、コスト削減に向けて不採算事業の見直しを進めていると伝わったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が12%余り上昇し、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も10%以上上げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とネットフリックス(NFLX)、テスラ(TSLA)も7%以上上げています。半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が14%を超える上昇となり、クアルコム(QCOM)とウエスタンデジタル(WDC)も9%以上上げています。また、暗号資産が大幅高となったことで暗号資産交換業のコインベース・グローバル(COIN)が10%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米CPIが市場予想を下回ったことで0.27%低い3.81%となりました。こうしたなかドル円は大きく円高に振れ141円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)