10月後半はベアキラーとなるのか

前半の10月相場が終了しました。アノマリー以上の下げ相場となった9月を引きずる形で、ナスダックが2年来の安値となるなど、米国10年債が4%を伺う中、厳しい展開が続いています。ハイテク株については、金利以外でも中国への輸出規制など、米中対立のあおりを受けやすい状況でもあります。

アノマリーでは「ベアキラー」が期待される10月ですが、9月の日本株は日経平均が7.7%安、TOPIXが6.5%安とそろって3ヶ月ぶりに大幅反落。10月は下落が一巡し、比較的底堅い展開となりました。

その一方、9月の米国株はダウ平均が8.8%安、S&P500が9.3%安、ナスダック総合が10.5%安とそろって大幅続落。さすがに10月は止まっていますが、戻りが続く雰囲気にはなっていません。

1985年以降でみると、10月以降ダウ平均の騰落アノマリーはパフォーマンスが良くなる傾向もあるため、この10月後半以降、「ベアキラー」といわれる動きがみられるかどうかでしょうか。

「長大陽線つつみ足」の動きに注目

一方、注目したのは、ダウ平均(ダウ平均以外でも)に出現した、10月13日の「長大陽線つつみ足」です。2020年11月9日に米大統領選で民主党バイデン候補の当選がほぼ確実となり、またファイザーが開発中のコロナワクチンがフェーズ3試験で90%以上の有効性を確認できたとのニュースが伝わり、経済活動正常化への期待が高まる場面がありました。

その際、ダウ平均は一時1,610ドル高の29,933ドルまで上昇し、週足のローソク足では珍しいチャート上の「窓(ギャップ)」を形成しています。その窓埋めの水準が28,495ドルなのです。

これは、上述した「長大陽線つつみ足」の安値(28,660ドル)や9月30日安値(28,715ドル)に近い水準です。「つつみ足」は買いサインの一種、つまり、窓埋め一巡による底入れを意識し始めた可能性が高いと踏んでいます。

また、「長大陽線つつみ足」を形成した翌日は400ドル安と肩を落とすような下落幅となりましたが、これは突然出現した長い陽線の後にはありがちな動きです。

問題はその直後2日間程度の動きです。値固めで再度上向きとなり、10月5日につけた終値ベースの戻り高値(30,316ドル)を上抜けるとミニ・ダブルボトムに繋がるのですが、果たしてそうなるでしょうか。