・10年実質金利は潜在成長率に沿った動きをしてきたが、2009年以降、量的緩和によって大きく下押しされた。量的引き締めは実質金利を押し上げるが、現在の金利水準は引き締めの大部分を織り込んだ様相と考えられる。
・中期的なインフレ期待は現在落ち着いており、ピークアウトしている。ただ、ロシアの問題はリスクシナリオとして上振れ材料になりうる。
・現在、米国では貯蓄過剰の状況が見て取れ、株式割合が増加している家計の債券へのリバランス余地は大きい。また、景気懸念が高まる欧州投資家などの買い需要も想定される。
・年限による金利ピーク期の違いを見ると、経験則では利上げピーク(市場予想2023年6月)の数ヶ月手前が中長期債のピークと意識される。
・景気の減速が見えてきた中、分散投資の対象として債券に注目。中長期債のリターンについては、株と同じく中長期の運用を視野に、分散対象として考えるとよい。