東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発しました。米国株安を受けて158円安の25,778円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間弱で315円安の25,621円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと10時30分前にプラスに転じ10時50分過ぎに214円高の26,151円まで上昇し174円高の26,111円で前場を終えました。154円高の26,091円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに84円高の26,021円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと大引け5分前に286円高の26,223円まで上昇し結局278円高の26,215円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ニトリホールディングス(9843)が一時5.9%安となり年初来安値を更新しました。世界的なインフレや円安進行で輸入コストが上昇したことなどから上期の営業利益が前年同期比で10.9%減と二桁の減益となったことで売りが優勢となりました。セブン&アイ・ホールディングス(3382)も4.3%安となりました。新型コロナウイルス禍で出遅れていた小売業の業績が経済正常化で回復し日米でコンビニエンスストア事業が好調に推移していることから2022年3-8月期の営業利益が前年同期比3割弱増の2300億円強になったと伝わりましたが、市場予想に届かなかったことで大幅安となりました。
一方で半導体ウエハーの生産などを手掛ける三益半導体(8155)が12.5%高となりました。半導体需要が堅調に推移したことでシリコンウエハーの生産が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で75.7%増となったことで買いを集めました。INPEX(1605)も3.0%高となりました。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくるOPECプラスが5日の閣僚級会合で日量100万バレル以上の減産を検討すると伝わったことで買いが優勢となりました。
また、先週末に大幅安となり年初来安値を付けた東京エレクトロン(8035)とSCREENホールディングス(7735)、アドバンテスト(6857)に買い戻しが入り大幅高となりました。東京エレクトロンが4.6%高、SCREENホールディングスが4.3%高、アドバンテストも4.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は278円高となりました。先週末の米国市場が景気後退や企業業績の悪化を懸念した売りで大幅続落となり主要3指数が揃って年初来安値を更新したことや、寄り付き前に発表となった日銀短観で大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス8と改善を見込んでいた市場予想に反し前回のプラス9から悪化したこともあり下落して始まり一時は310円以上下げました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると先週末時点で25日移動平均線との乖離率がマイナス6%近くまで広がり短期的に売られ過ぎとなっていたこともあり上昇に転じ節目の26,000円を回復しました。そのため調整一巡への期待も出てきそうで、こうしたなかでまずは26,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。
なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後にしまむら(8227)が決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には9月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)