東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に4日続落となりました。83円安の27,567円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分で12円安の27,638円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を三桁に広げ9時40分には139円安の27,511円まで下落しました。しかし、節目の27,500円を前に下げ渋ると持ち直し40円安の27,610円で前場を終えました。44円安の27,606円でスタートした後場の日経平均は直後に50円安の27,600円を付けた後持ち直すと13時30分過ぎにプラスに転じ13時40分過ぎに22円高の27,673円まで上昇しましたが、上値は重く伸び悩むと結局31円安の27,619円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)が一時3.5%高となりました。セールの売り上げが前年を下回ったものの、夏物の定価販売商品や秋物商品の動きが良かったことから8月度の既存店売上高が前年同月比19.8%増となったことで上げ幅を広げる場面がありました。しかし、買い一巡後に上げ幅を縮めると後場に入って下落に転じ0.6%安で取引を終えています。凸版印刷(7911)も3.2%高となりました。投資有価証券売却益の計上で2023年3月期の純利益の見通しを430億円から680億円に上方修正したことで大幅高となりました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが東洋水産(2875)や阪和興業(8078)で、東洋水産が目標株価の引き上げを受けて3.1%高となり年初来高値を更新し、阪和興業も投資判断や目標株価の引き上げを受けて一時3.8%高となりました。

一方で調剤薬局最大手のアインホールディングス(9627)が11.0%安となりました。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいたリテール事業が回復したことなどから第1四半期の営業利益は前年同期比で5.4%増となりましたが、上期会社予想に対する進捗率が32.4%に止まったことで業績の下振れを懸念した売りが膨らみました。惣菜大手のロック・フィールド(2910)も7.0%安となりました。食用油やホタテ、タマネギなど原材料費の高騰などが利益を押し下げたことで第1四半期の営業利益が前年同期比で42.2%減と大幅な減益となったことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は31円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの長期化を警戒した売りが続き先週末の米国市場が下落となったことで続落となりました。しかし、朝方には140円近く下落しましたが、節目の27,500円を前に下げ渋ると200日移動平均線(27,486円)を割ることなく下げ幅を縮め時間外の米株価指数先物が堅調だったこともあり後場にはプラスとなる場面もみられました。そのため200日移動平均線近辺での底堅さが意識されそうで、このまま明日以降も200日移動平均線を維持し、切り返すような展開となれば調整一巡への期待も出てきそうです。なお今晩の米国市場はレーバーデーの祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)