8月の米雇用統計は市場予想を上回るも失業率は悪化

先週のS&P500は3.3%、ナスダック100も4%下落しました。
ジャクソンホール会合にてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派的な発言が確認されてから、マーケットはこれまでのところ軟調に推移していました。先週下げたことで、S&P500とナスダック100共に3週連続で下落したことになります。マーケットは更なる引き締め予想に対し織り込みを続けていたと言えるでしょう。

先週のマーケットの注目は8月の米雇用統計でした。9月2日(金)に発表された非農業部門雇用者数は、事前予想の前月比29万8000人増に対し31万5000人増と堅実な伸びを示し、期待を上回る結果となった一方、失業率は3.7%と2022年1月来の高い水準となり、強弱入り交じった発表となりました。これを受け、朝方マーケットは上昇していたものの、現地時間の午後に入るとマーケットは下落し始め、この日のS&P500は最終的に1%、ナスダック100も1.4%下落して終わりました。

先週は3日間、マーケットのオープニングは前日比で高く始まったものの、引けは安く終わる展開となりました。これは現在の市場のセンチメントの悪さを示しています。

米国株の季節性を確認しますと、9月は下がりやすい傾向が見られます。いずれにしても、インフレに対する不安感が収まらないため、ボラティリティの高い相場は続くでしょう。

人員削減広がる米国企業

雇用統計上の雇用はしっかりしている一方で、米国企業のレイオフ(人員削減)が目立っています。これまでペイパル・ホールディングス(PYPL)、カーヴァナ(CVNA)、ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)が人員削減を発表しています。

他にも人員削減を発表する企業が出てきています。ショッピファイ(SHOP)は7月に1,000人の人員削減を行いましたが、8月に入っても追加で70人を解雇しています。小売店のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)は全米で150の店舗を閉店し、従業員を20%減らすとしています。「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP)は社員の5分の1を減らし、メディアのガネット(GCI)も400人の人員削減を発表しています。業績悪化が見込まれるとすぐにコスト削減に向けたアクションを取る米国企業のマネジメントは健在です。

今後注目のイベント

今後のマーケットに影響を与えるイベントとしては、9月後半のFOMC(米連邦公開市場委員会)に先立って行われる、8日の金融政策をめぐる討論会と、13日に発表される予定の8月の米CPI(消費者物価指数)が挙げられます。

今週9月7日(米国現地時間)にアップル(AAPL)は新型iPhone14などの新製品を発表する予定です。同時に、体温測定機能がついたApple Watch8やApple Watch Proも発表される見通しです。カウンターポイントリサーチによると、2021年の米国でのiPhoneのシェアは45%であったのに対し、直近の調査では今回iPhoneが半数を超えたとの結果が発表されています。インフレで部品価格の値上げが行われている中、今回アップルが新型iPhoneをどのような価格設定にするかが注目されます。

米国企業の決算発表は10月以降ですが、夏休みが終わる米国では9月に数多くの企業がプレゼンテーションを行うイベントを開催します。私が把握しているだけでも、今週だけで以下のイベントが開催される予定です。

●バークレイズCEOエネルギー・パワー・カンファレンス(Barclays CEO Energy-Power Conference Presentation)
●Citi's 2022グローバル・テクノロジー・カンファレンス(Citi's 2022 Global Technology Conference)
●ウェルスファーゴ・ヘルスケア・カンファレンス(Wells Fargo Healthcare Conference 2022)
●エバーコア ISIセカンドアニュアル・テクノロジー、メディア&テレコム・カンファレンス(Evercore ISI 2nd Annual Technology, Media & Telcom Conference)
●BofAセキュリティーズ・2022メディア、コミュニケーションズ&エンターテイメント・カンファレンス(BofA Securities 2022 Media, Communications & Entertainment Conference)
●ゴールドマン・サックス第29回アニュアル・グローバル・リテール・カンファレンス(Goldman Sachs 29th Annual Global Retailing Conference)

このようなイベントでのマネジメントの業績に関する発言、そこで窺えるニュアンスを受け、アナリストの業績修正が起きるかもしれませんので要注意です。

なお、9月5日はレーバー・デーのため、米国株式市場は休場です。