【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,318.44  ▼337.98 (9/2)
NASDAQ: 11,630.87  ▼154.26 (9/2)

1.概況

先週末の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの長期化を警戒した売りが続き下落となりました。米雇用統計で雇用者数の伸びが前月から大きく減速したことや失業率も前月から悪化したこともありFRBが利上げを一段と加速させるほど強い内容ではないとの見方から買いが先行し、192ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに370ドル高まで上昇しましたが、金融引き締めへの警戒感は強く伸び悩むとマイナスに転じ、ロシアの国営天然ガス会社ガスプロムが欧州向けガスパイプラインの停止を延長すると発表したこともあり下げ幅を広げ取引終盤には474ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや戻したダウ平均ですが結局337ドル安の31,318ドルで取引を終え反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も154ポイント安の11,630ポイントと6日続落となりました。

2.経済指標等

8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比31万5000人増となり市場予想を小幅に上回りました。しかし、7月の52万6000人増から伸びは鈍化しています。また、失業率は前月から0.2ポイント悪化の3.7%となり横ばいを見込んでいた市場予想に反して悪化しました。7月の米製造業受注は前月比1.0%減となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、コミュニケーション・サービスが2%近く下落したほか、不動産とヘルスケア、生活必需品、情報技術、公益事業も1%以上下げています。一方でエネルギーが2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が3%余り下落したほか、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%安となり、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も2%近く下げています。一方でシェブロン(CVX)とセールスフォース(CRM)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)の3銘柄が上げ、シェブロンは1%を超える上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が軟調でフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が3%安となり、電気自動車のテスラ(TSLA)も2%を超える下落となりました。また、半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が2%以上下げ、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%近く下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%低い3.19%となりました。ドル円は140円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円や200日移動平均線(先週末時点で27,493円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)