【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,152.01  △239.57 (8/16)
NASDAQ: 13,102.55  ▼25.50 (8/16)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は小売り大手の決算が市場予想を上回ったことで消費関連株に買いが入り続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利上昇を受けてハイテク株に売りが出て反落となりました。11ドル高でスタートしたダウ平均は直後にマイナスとなりましたが、59ドル安で下げ渋るとプラスに転じ上げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に368ドル高まで上昇したダウ平均はその後伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局239ドル高の34,152ドルで取引を終え5日続伸となりました。

また、S&P500株価指数も8ポイント高の4,305ポイントとなり3日続伸となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は25ポイント安の13,102ポイントとなり3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

7月の米住宅着工件数は年率換算で前月比9.6%減の144万6000戸となり市場予想を下回りました。一方で7月の米鉱工業生産指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も前月比0.4ポイント上昇の80.3%となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や一般消費財・サービス、金融などの6業種が上げ、生活必需品と一般消費財・サービスは1%以上上昇しました。一方で不動産やエネルギー、情報技術などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回る増収増益となったウォルマート(WMT)とホーム・デポ(HD)が大幅高となり、ウォルマートが5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ホーム・デポも4%余り上げダウ平均構成銘柄でウォルマートに次ぐ上昇率となりました。ウォルマートとホーム・デポの2銘柄でダウ平均を130ドル近く押し上げています。また、他の小売株にも買いが広がりディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が4%近く上げ、ホームセンター大手のロウズ(LOW)も3%近く上昇しています。また、百貨店株も高くメーシーズ(M)が5%以上上昇し、コールズ(KSS)も6%余り上げています。

さらにクルーズ船のカーニバル(CCL)が15日の予約件数が新型コロナウイルス禍前の2019年の同日のほぼ2倍になったと発表したことで4%を上回る上昇となりました。他のクルーズ船も高くロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が4%近く上げ、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)も3%近く上昇しています。

一方でビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて3%以上下げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.80%となりました。ドル円は円安に振れ134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となったことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)