出井さんとは随分長い付き合いですが、一緒に遊びに行ったことはありません。強いて云うなら一回だけゴルフをしたことがあるだけです。私があまりにも下手すぎたからか、それっきりになってしまいました。まぁ、26歳も年が離れているので、一緒に遊びに行くような関係でないのは、当然と云えば当然です。
同じ趣味、例えばゴルフなど、があれば格別、ですから出井さんとの付き合いは、基本何か仕事の話とか、常に何かを話してきた付き合いだったと思います。なので私にとっての出井さんの印象は、横顔とか後頭部ではなくて、常に正面からの顔です。
何度も飲食は行きましたが、出井さんは私のような飲兵衛ではないので、飲む目的で行くのではなく、話すことがあって、話すために行き、そのアテに飲むのでした。そう考えると、趣味も一緒じゃない親子ほど年の違う相手と、本当に良く付き合って下さったな、と思う次第です。
でもどうして出井さんはそうして下さったのか?出井さんは、きっと好奇心のレベルがとてつもなく高くて、そしてその好奇心を満たすのに、相手の権威、年齢、などは一切関係なくて、その内容だけに、そして新しさに興味があったのだと思います。冷静に考えると凄いことです、そこまで好奇心を純粋に追究するのは。
私が古くから知っているウォールストリートの鉄人達も好奇心のレベルとその追究が凄いです。あらためて肝に銘じていきたいと思います。