先週発表された7月の米雇用統計によると非農業部門雇用者数が前月比52.8万人増となり、失業率は低下し、平均時給も6月と同水準を維持しました。この結果を受けて、一時的に米国株が下がり、米ドルは急騰しました。市場では、景気後退のシナリオ希薄化=リスクオンムードが広がり、景気良好=利上げペース維持=米ドル高につながったのではないかと思います。
BTCは8月5日から横ばいの推移となっています。今回の雇用等統計の結果は暗号資産市場にとっても中長期的にポジティブだと考えています。市場はしばらくリスクオンに傾いて推移するように思います。
ではチャート分析を見ていきましょう。
BTC(ビットコイン)、三角保ち合いブレイクに期待
BTC/JPY日足チャート分析です。
地合いが良くなってきました。三角保ち合いを上方向に抜けてきそうです。SMA90(3ヶ月移動平均線)に近づいてきており、ここを抜けると上昇に弾みがつくかもしれません。SMA30は完全に上で推移しており、あとはきっかけ待ちといったところでしょうか。
MACDも0.00付近で推移しており、ブレイクした方向に動きやすいでしょう。上昇方向のほうが有利のように見えます。4時間足で具体的なエントリータイミングを見ていきましょう。
三角保ち合い先端の拡大チャートです。押し目を拾いにいくなら、下限ラインからでしょうか。目安は305万円付近になると思います。298万円付近にもサポートラインを引くことができますので、今週はこの2段構えで準備しておくとよさそうです。
上昇が加速するなら、325万円超えからでしょう。次のターゲットはドル建で25,000ドルです。日本円で337万5000円(1ドル=135円で換算)付近となります。今週から来週にかけてこの水準が上値の目安になると思います。
前述の押し目買い水準から10%程度の値上がり期待を狙ったトレードになりそうです。
ETH(イーサリアム)、ショートカバー期待で更なる上昇狙えるか
ETH/JPY日足分析に移ります。
こちらはBTC日足と比較して明らかに形状が良好です。SMA90も完全に超えてきており、SMA30がSMA90とゴールデンクロスする間近となってきています。MACDはデッドクロスの様相でネガティブ材料ですが、21万円台のレジスタンスラインを明確に上方向に抜けてきており、そこでしばらく推移している状況です。
戻り売りするプレイヤーが売り終えたのではないかと考えています。そうすると、次の上昇で強めのショートカバーが出るかもしれません。その場合はテクニカル的にSMA7→30→90という並び順になり、価格も上昇するでしょう。MACDも再びゴールデンクロスで上昇し、重要レジサポラインを完全に上抜けると、多くの条件が整うと思います。
では、4時間足で詳細を見ていきましょう。
上方向にブレイクすることを前提に分析していきます。ETHはアセンディングトライアングル形状となっており、BTCと比較してもETHのほうが強気です。6月から様々なネガティブ材料が出てきましたが、完全に売り尽くされたのかもしれません。この水準でもまだ史上最高値の半分以下です。もう少し上値の上昇を期待しても良いかもしれません。
押し目買いはこのトレンドラインからのエントリーで問題ないように思います。またはサポートラインがいくつか引ける20万円台でしょうか。
今週水曜日(8月10日)には7月の米CPI(消費者物価指数)が発表される予定です。6月は前年同月比で9.1%上昇と40年ぶりの高水準でしたが、これをきっかけに暗号資産市場は上昇に転じました。本来なら、利上げペース加速の見方が広がり、暗号資産市場の下落につながるところですが、結果的に大幅上昇となりました。それはマーケットが上半期で売られすぎたためではないかと考えています。
今週発表の米CPIの市場予想は8.7%上昇です。これを下回る結果が出ますとインフレがピークアウトしたという見方が強まると思います。雇用統計が良好、インフレ率も低下となれば、7-9月期のGDPはプラス成長の可能性が出てきます。そうすると暗号資産市場は、ポジティブに反応するでしょう。
この値動きに期待しつつ、先回りの買いトレードを前提としたシナリオをご紹介しました。