【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,396.17 ▼402.23 (8/2)
NASDAQ: 12,348.76 ▼20.22 (8/2)
1.概況
米国市場はペロシ米下院議長の台湾訪問により米中間の緊張が高まることを警戒した売りが出て続落となりました。107ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に370ドル安程度まで下落した後一旦昼過ぎに25ドル安まで持ち直しましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げ結局402ドル安の32,396ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント安の12,348ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産と金融、資本財・サービス、素材が1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでも決算で売上高が市場予想を下回ったキャタピラー(CAT)が6%近く下げ下落率トップとなったほか、ボーイング(BA)も3%を超える下落となりました。インテル(INTC)とビザ(V)、ナイキ(NKE)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上下落しています。一方でセールスフォース(CRM)とトラベラーズ(TRV)、ウォルマート(WMT)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の4銘柄が小幅に上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)が決算で売上高が市場予想を上回ったうえ、フリーキャッシュフローが四半期ベースで初めて黒字になったこともあり19%近く上げています。また、同業のリフト(LYFT)にも買いが波及し16%を超える上昇となっています。太陽光パネルのサンパワー(SPWR)も決算で売上高が市場予想を上回ったことで9%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦準備理事会(FRB)高官のインフレを警戒する発言が相次いだことで0.18%高い2.75%となりました。ドル円は円安に振れ133円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はペロシ米下院議長の台湾訪問による米中関係の悪化懸念を昨日の下げで既に織り込んでいることや、ドル円が円安となっていることもあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後さらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)