東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに大幅反落となりました。111円安の26,701円で寄り付いた日経平均は直後に93円安の26,718円までやや戻した後下げ幅を大きく広げると10時前に487円安の26,325円まで下落し449円安の26,362円で前場を終えました。さらに下げ幅を広げ508円安の26,303円でスタートした後場の日経平均は13時40分過ぎに534円安の26,278円まで下落した後やや戻すと結局475円安の26,336円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ローソン(2651)が4.7%高となりました。主力の国内コンビニ事業や高品質スーパーの成城石井で総菜などが好調だったことに加え、まん延防止等重点措置の解除で人流が回復しエンタテインメント関連事業のチケット取扱高も伸びたことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で25.1%増となったことで大幅高となりました。本決算を発表したドラッグストアのコスモス薬品(3349)も6.3%高となりました。円安に伴う原材料価格や電気代の上昇が響いたうえ、建築資材の高騰で新規出店にかかる費用がかさんだことなどから2022年5月期の営業利益は前の期の水準を下回りましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で5四半期ぶりに増益に転じたことで買いが優勢となりました。東証グロース市場では抗体医薬品を研究開発するカイオム・バイオサイエンス(4583)が一時12.2%高となりました。抗体作製技術を用いてロート製薬(4527)と治療用抗体を作製する契約を結んだと発表したことで上げ幅を広げる場面がありました。
一方で本決算を発表したドラッグストアのクリエイトSDホールディングス(3148)が3.8%安となりました。新規出店に伴う人材採用で人件費がかさむことに加え、電気料金などのコスト高が響くことなどから2022年5月期の営業利益が前期比で6.6%減となる見通しを発表したことで売りが優勢となりました。さらにTDK(6762)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は475円安となりました。中国の新型コロナウイルスの感染再拡大による行動規制の強化などが相場の重石となり昨日の米国市場が下落となったことで売りが優勢となりました。また、節目の26,500円を朝方にあっさりと割り込んだことで下げ幅を広げ一時は530円以上下げました。明日は6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見になりやすいといえますが、そうしたなかで大幅安となった本日の流れを変えることができるかがポイントとなりそうです。
なお、2月決算銘柄の第1四半期決算発表や8月決算銘柄の第3四半期決算発表が続いていますが本日も引け後にビックカメラ(3048)や東宝(9602)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)